インプラントってなぜ高額なの?その理由と信頼できるクリニックの選び方

2023.09.25

 

「インプラント=高額」という印象を持っている人は少なくないでしょう。保険が適用されないことがほとんどであるインプラント手術・治療は実際に高額です。

 

しかし、自分の歯を失ってしまった人にとって、ブリッジや入れ歯では叶わない機能性・審美性があるインプラントは希望の光であるのも事実です。

 

「インプラントにしたいけど、やっぱりお金の面が……」とお悩みの方に、少しでもご負担が減る方法、無理のないお支払い方法の種類をご紹介していきます。

インプラント治療の費用相場

まず、インプラントの相場として、実際にどれくらいの費用がかかるものなのでしょうか。

 

保険が適用される医療行為であれば、国のほうでその金額はある程度決められています。しかし保険が適用されない「自由診療」の枠に入るインプラント治療は、クリニックが自由に価格を設定できます。

 

とはいえ、インプラント治療に対応している歯科医院でもある程度は相場に合わせていきますので、1本あたり30~50万円が一般的な価格といえます。

顎の骨の質や量によっては、追加処置が必要になる患者さんも中にはいらっしゃいますので、あくまで「相場」として捉えておいたほうがいいでしょう。

 

1本あたりがこの金額ですので、2本、3本となれば100万円ほど、本数がもっと増えれば数百万円にまで達するケースもあります。

インプラント治療の費用はなぜ高い?

 

保険適用外だからといって、なぜインプラントにはこんなに高額な費用がかかるのでしょうか。それにはしっかりとした理由があります。

健康保険が適用されないため

まず第一に、保険が適用されないからという部分が最も大きいでしょう。

医療保険制度が充実している日本では、ほとんどの国民が保険証を持っており、国が医療費の半分以上を負担してくれます。もし「保険証無し」で診察・治療を受けると、驚くほどの金額になります。

 

私たちが病院やクリニックに行く場合に、「保険適用外」の治療を受けることも滅多にないため、インプラントの費用を聞くと「高い!」と驚いてしまいますが、手術・治療というのは本来は安価なものではありません。

 

ただ、中には例外的に保険が適用されるケースもありますので、以下にまとめます。

  • 生まれつき顎の骨の3分の1が欠損している
  • 生まれつき顎の骨に形成不全が見られる
  • 骨移植を行い、顎の骨を再建している
  • 腫瘍などで手術を受け、下顎を切除した
  • 顎骨全体の3分の1以上が連続して欠損している

上記の中のどれかに当てはまる場合でも、治療を受けることのできる病院にも以下の条件が付いてきます。

  • 歯科または歯科口腔外科を標榜している医療機関である
  • 入院用ベッドの数が20床以上ある
  • 夜間や休日も対応できる当直体制が整備されている
  • 医薬品や医療機器などの安全確保・管理体制が整備されている
  • 歯科・口腔外科で5年以上、またはインプラント治療経験3年以上の経験がある常勤の歯科医師が2名以上配置されている

ここまでの条件を満たすには、一般的な歯科クリニックではかなりハードルが高いため、大学病院の口腔外科などに限られてきます。

 

関連記事:インプラントは保険適用になる?健康保険で治療を受けられる条件を解説

高度なスキルが要求されるため

インプラント手術・治療は、一般的な歯科治療とは少し違う分野になります。歯茎を切開し、その奥にある顎の骨に穴を開けて金属の土台を埋め込む外科手術を行います。他の歯科治療ではそこまで大がかりな手術を行いませんので、インプラントは非常に高度なスキルや知識、経験を持っていないと対応できない治療です。

 

インプラント治療が日本で行われるようになってからまだ日が浅いため、大学の歯学科などのカリキュラムでも、インプラントに関する科目が扱われるようになったのも近年になってからです。

よって、インプラント治療を行うためには、歯科医師自身が積極的に学会や講習会に出席して知識を吸収しなければなりません。また、知識のみならず、多くの患者様のケースを経験し、技術も磨かなければいけません。

 

それらの地道な学習・経験値を積み上げてようやくインプラント手術・治療を行えるようになりますので、安価で提供できない背景があります。

設備費・材料費がかかるため

先ほどお伝えしたように、インプラントは骨に穴を開ける大がかりな外科手術になります。手術を行うには、一般的な歯科治療設備ではなく、専用の設備が必要です。

 

インプラント手術では、歯茎を切開し、骨に穴を開ける際に、細かな神経や血管が損傷する可能性があります。 その部分に細菌が感染すると、さまざまな合併症を引き起こすおそれがあります。それらを防ぐために、専用の設備を設置します。

 

骨の内部を知るためにはレントゲンではなくCT検査も必要ですし、マイクロスコープ、口腔内スキャナーなど、精密な情報を得るための機器も各種揃えなくてはいけません。

 

また、インプラントの土台や接続部分は人体に親和性の高い良質な素材を使っていたり、、その上にかぶせる人工歯もできるだけ天然歯に近い材質を使っていますので、材料費も高額になっていきます。

長期的に治療するため

ブリッジや入れ歯に比べて、インプラントは治療期間が長いことも特徴的です。精密な検査をしっかり行ってから手術に入り、土台が骨に定着するまで数ヶ月間は待機期間があります。そしてその間に異常が無いか何度か診察を受けていただきます。

 

もし出血や腫れが長引く場合はその都度、処置が入りますし、長い患者様では1年近く要することもあります。

インプラントしたいけどお金がないときの対処法5選

 

口元を隠さずに人と話したい、好きなものを思いきり食べれるようになりたい、とインプラントに期待をかける方は多くいらっしゃいます。しかしやはり最後まで気になるのが、現実的な問題である費用の面です。

 

少しでも費用面でお力になれるよう、ご負担を減らせる方法をいくつかご紹介していきます。

デンタルローンを利用する

1本あたり30~50万円という高額な買い物になるインプラントですので、すべての患者様がそれを一括払いできるわけではありません。高額な買い物をする際に分割払いやローンを利用することがあるように、インプラントにもローン制度があります。それを「デンタルローン」といいます。

 

金融機関が用意している歯科専用のローン商品のことで、金融機関に費用を一旦立て替えてもらい、患者様はその金融機関に月々少しずつ返済していく、という形式です。

ローンということはもちろん金利がかかりますので、全体的に見れば少し多く支払うことにはなります。

しかし、一括で数十万円を支払うよりも、毎月少しずつのお支払いのほうが楽な方もいらっしゃるでしょうし、金利も5%程度の商品が多くあります。

 

ただし、歯科医院によってはこのようなローン商品を取り扱っていないところもありますので、ご確認ください。

クレジットカードを利用する

歯科医院の中には、現金のみではなくクレジットカード払いが可能なところもあります。クレジットカード払いにすれば数十万円の現金を用意して持ち込む必要はありませんし、支払い方法も選べます。

 

支払い方法は分割払い、リボ払い、ボーナス払いなどから選べることが一般的ですが、分割払いとリボ払いは手数料や利息がかかりますので、カード会社の案内をしっかり確認しましょう。

 

こちらも、歯科医院によっては「現金のみ」「このカード会社のみ」という場合がありますので、ご確認ください。

カードローンを利用する

銀行などの金融機関が用意しているローン商品とは別に、クレジットカード会社が用意しているローン商品もあります。

 

カードローンは利用目的の種類が多く、歯科治療での支払いに対応している商品も多いようです。金融機関のローン商品よりも審査基準がゆるく、申し込みも簡単なので気軽に利用することができます。

 

ただし、金利は一気に上がるので要注意です。だいたい15~18%くらいの商品が多く、長期間の支払い計画になればなるほど、支払い総額は増えていきます。

無理のない返済計画をしっかり練ってから利用していただくことをおすすめします。

医療費控除を活用する

インプラントは保険適用外ではありますが、国の援助を受けられないわけではありません。日本の医療制度の中に、「医療費控除」というサポートがあります。

  • 審美目的のインプラント治療ではない
  • 自身が所得税や住民税を納めている、もしくは納めている家族がいる
  • 健保や保険会社からの給付金を除いた医療費の自己負担額が10万円を超えている(※総所得金額等が200万円未満の方は、医療費の自己負担額が総所得金額等の5%を超えた場合)

これらの条件を満たしていれば、支払った所得税や住民税の一部が返金(還付)される制度です。厳密にいえば「インプラント費用が安くなる」わけではないのですが、高額な治療を受けたことによって税金が戻ってくるので、利用しない手は無いと言えるでしょう。

5年前の医療費支払い分まで遡って申請することができます。

 

ただし、この制度を使う場合は、ご自身で確定申告をする必要があります。今は税務署に出向かずとも、e-Taxを使えばパソコンやスマホから申告ができますので、ぜひご活用ください。

 

関連記事:インプラント治療は医療費控除の対象?還付金の計算・申請方法・注意点も解説

家族や親戚からお金を借りる

もし身内にお金を貸してくれそうな人がいれば、まずは相談してみるのもひとつです。

ローンや分割払いを利用するには必ず金利や手数料が発生しますので、「治療費以上にお金を払うくらいなら、貸すよ」と言ってくれる身内や親族がいないか、あたってみましょう。

 

身内とはいえ、お金の貸し借りはトラブルのもとになりますので、口約束だけにせず、きちんと借用書などを作成しておくことが大切です。

お金がないときは、インプラント治療以外の選択肢も検討する

機能性や審美性の高さから、できればインプラントをやってみたいけどやっぱりどうしても予算が……という患者様ももちろんいらっしゃいます。

そんな場合は、インプラント以外の選択肢も視野に入れてみましょう。以下に各治療法の特徴をまとめます。

 

まとめ

インプラント治療をするにあたって最も高いハードルの一つと言える、費用面に関する選択肢をいくつかご紹介してみました。

 

「一括で数十万円なんて払えない……」という理由でインプラントをためらっていらっしゃる方には、参考にしていただけたらと思います。

 

日々の生活に大きな無理を強いてまでインプラント治療を選択することはおすすめできません。ご自身の収入や貯蓄を考慮して、利用できるお得な制度もしっかり活用して、上手に計画を練っていきましょう。

 

本町通りデンタルクリニックでは、ご予算に応じた最適な治療方法をご提案させていただきます。

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