インプラント治療後のアフターケアとは?寿命を延ばすケア方法を全解説

2023.08.13

 

インプラント治療を検討するなかで、埋入後のケア方法が気になることもあるでしょう。なかには「きちんとしたケアをし続けられるか不安」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

 

インプラント治療のアフターケアには、治療直後のケア、自宅で行なっていただくケア、歯科医院でのケアの3つがあります。この記事では、それぞれのケア方法について解説します。注意点や使うアイテムについてもご紹介するため、ぜひ参考にしてください。

適切なアフターケアが、インプラントの生存率を左右する

インプラント治療開始後は、適切なアフターケアをすることで「インプラント周囲炎」が起きる可能性を下げられます。

 

 

インプラント周囲炎は、歯周病と同じ症状が起こる病気です。歯周病菌が原因でインプラントの周囲で炎症が起こり、腫れや痛みを感じるようになります。さらに症状が悪化すると、インプラントの不安定化・脱落を招くケースもあります。

 

インプラント周囲炎を予防するには、毎日のセルフケアと、歯科医院でのチェック・クリーニングが欠かせません。インプラント治療後は、天然歯以上に丁寧なケアが必要です。

インプラント治療のアフターケア【手術直後のケア】

インプラントの埋入手術直後のケア方法について、5項目に分けてご紹介します。インプラントがトラブルなく結合するために重要な内容を含むため、ひととおり確認しておきましょう。

術後の経過を観察し、安静にする

インプラントの手術直後は、患部に腫れ・痛み・違和感が生じるケースが多くみられます。手術当日は安静にするとともに、腫れを軽減するため、頭を高い位置に保つようにしましょう。

 

また、血流が促進されて腫れ・痛みが悪化するのを防ぐために、手術当日の長風呂・運動などを控えることも大切です。もし、安静にしていても腫れ・痛みが2~3日以上続いたり悪化したりするときには、迷わずに歯科医院へご相談ください。

 

インプラント治療では、症状・違和感などの原因の分析と評価も、重要なステップの一つです。きちんとインプラントが安定するよう、連携を取りながら経過を観察しましょう。

食事・飲み物の制限を守る

インプラントの手術直後は、歯科医師から伝えられる飲食の制限を守ることも大切です。手術後は控えたほうが良いものとして、下記の6つがあります。

  • 硬い食べ物
  • 刺激物の入った食べ物・飲み物
  • 熱い飲み物
  • 粒状の個体が入った飲み物
  • アルコール
  • 糖分の多い食べ物・飲み物

手術直後は上記を避け、やわらかな食べ物を摂るようにしましょう。また、カルシウムやビタミンDなど、インプラントと骨の結合を助ける栄養を多く含む食べ物を摂るようにすることも大切です。

処方された薬を正しく服用する

インプラント手術後には、腫れ・痛みなどを抑えるために、抗生物質・抗炎症薬・鎮痛剤などの薬が処方されることがあります。医師・薬剤師の指示に従い、用法用量を確認したうえで、適切に服用しましょう。

 

特に抗生物質は、処方された分を適切に飲み切ることが重要です。途中から自己判断で飲むのを止めないようにしましょう。

 

処方された薬が効かない場合や、手術後の痛みが長期的に続く場合は、インプラント周囲炎を起こしている可能性があります。痛みや違和感があるときには、まず医師に相談しましょう。

喫煙を控える

喫煙習慣は、インプラント治療の成功率を下げる要因の一つです。喫煙によって血流が滞ることで、歯周病が生じたり、インプラントと骨の結合がうまく進まなくなったりする可能性があります。

 

うまく結合しても、インプラントの生存率に影響をおよぼすことがわかっています。そのため、手術後は喫煙を控えることが大切です。

 

特に喫煙本数が多い方ほど、インプラントへの影響は大きくなります。喫煙本数の多い方は特に丁寧なケアを心がけるとともに、完全な禁煙を目指すことが望ましいといえるでしょう。

口腔内の衛生状態を良好に保つ

手術後は、患部の回復を助けるためにも、口腔内の衛生状況に気を配りましょう。雑菌が繁殖すると、インプラント周囲炎が生じやすくなります。食事後は、できるだけ早めのオーラルケアを心がけることが大切です。

 

ただし、手術直後は、傷口に刺激を与えないようにする必要があります。手術した部分を直接刺激するのは避けながら、力を入れずに優しく歯磨きをしましょう。

インプラント治療のアフターケア【自宅でのケア】

 

インプラント治療の開始後、自宅でできるアフターケアの方法についてご紹介します。おもに歯磨き時のケア方法とポイントを3項目にまとめているため、ひととおり確認しておきましょう。

毎日適切に歯磨きを行なう

インプラントとその周囲を良い状況に保つには、毎日適切な方法で歯磨きをし、歯垢を溜めないようにすることが重要です。1回2分程度の時間をかけて、朝・晩の2回は必ず、丁寧に歯磨きするようにしましょう。

 

また、歯科医院で医師・歯科衛生士などから磨き方の指導があった場合は、その方法にしたがって磨くことも大切です。インプラント治療開始後のブラッシングでは、適した道具を使うのもポイントとなります。

 

患部周辺を傷つけないために、やわらかめで毛先の細い歯ブラシを使うと安心です。研磨剤やフッ素を含まない、インプラント専用の歯磨きジェルも市販されているため、使用を検討してみるのもよいでしょう。

歯間ブラシやデンタルフロスを利用する

インプラントは歯茎によって支えられている器具です。歯周病が生じるとインプラントが脱落する可能性が高まるため、歯と歯の間まで丁寧にケアし、清潔な状態を保つ必要があります。

 

とはいえ、歯と歯の小さな隙間にある歯垢は、歯ブラシだけでは除去しにくい傾向にあります。適切なケアをするためには、歯間ブラシやデンタルフロスを併用するとよいでしょう。歯間ブラシやデンタルフロスを使ったことがない方は、歯科衛生士へご相談ください。

指示があれば、洗口液を使用する

歯科医師から指示があった場合は、洗口液を併用しましょう。患部が特にデリケートな状態にある治療開始直後は、患部周辺を細かくブラッシングしにくい状態にあります。そういうときには洗口液を活用し、患部周辺まで丁寧にケアすることが大切です。

 

ただし、洗口液のなかには、アルコールやメントールが配合された刺激の強いものもあります。低刺激性の洗口液を併用して、口腔内の清潔を保ちましょう。

インプラント治療のアフターケア【歯科医院でのケア】

 

インプラント手術後は、歯科医院で定期的な検診を受けましょう。3~6ヵ月に1回程度の検診で定期的にチェックすることで、口腔トラブルの早期発見が可能になります。ここからは、歯科医院で実施するアフターケアについてご紹介します。

歯や歯茎の状況をチェックする

インプラント周辺で炎症が起きていないか、汚れがないかなど、歯茎・粘膜・歯の状態を細かく確認します。インプラント箇所についても、下記のようなチェックを実施し、異常の早期発見につなげます。

  • 人工歯を外して、インプラントに破損がないかチェック
  • 骨とインプラントの結合に異常が見られないかチェック
  • 部品に異常が生じていないかチェック

セルフケアの指導を行なう

口腔ケアが適切にできているか、セルフケアの状況をチェックします。インプラントは天然の歯と異なるため、特有のポイントを意識する必要があります。

 

インプラント治療をしている方の場合、歯と歯茎の境目や、歯と歯の間のケアが重要です。毛先のやわらかなブラシを使い、歯と歯茎の境目に毛先を当て、約45度の角度から力を入れずに動かしましょう。

 

歯と歯の間のケアでは、歯間ブラシやデンタルフロスを併用するのがおすすめです。正しいブラッシングができていない場合にはブラッシング指導を実施し、適切なケアができるようサポートします。

噛み合わせのバランスを確認する

インプラントとほかの歯の、噛み合わせのバランスをチェックします。

 

噛み合わせに不具合が生じている場合には、人工歯を削る調整が必要です。噛み合わせに不具合が生じたままにしていると、虫歯や歯周病のリスク、顎関節症を発症するリスクを高める可能性があります。また、顎に負担がかかることで、周辺の筋肉の緊張を引き起こし、頭痛や肩こりの要因となることもあります。

 

そのため、噛み合わせの様子を定期的にチェックし、調整していくことが大切です。

レントゲン撮影を行なう

レントゲン撮影を実施して、インプラントがきちんと顎の骨と結合しているか、顎の骨に異常が起きていないかなどを確認します。

 

インプラントに問題があり、トラブルが生じている場合は、メーカー保証を利用したインプラントの交換も可能です。ただし、保証を受けるには定期的なメンテナンスを受けている必要があります。もしものときに備え、定期検診をしっかりと受けておきましょう。

歯のクリーニングを行なう

定期検診では、歯に付着した歯垢・歯石などの汚れを除去し、清潔な状態を保つためのメンテナンスをします。

 

歯科医院では、専用器具を用いた本格的なクリーニングが可能です。定期的に汚れを除去しておくことで、インプラント周囲炎や歯周病を防ぎ、インプラントと天然歯双方の健康を維持できます。

本町通りデンタルクリニックのインプラント治療のアフターケア

本町通りデンタルクリニックでは、以下の11項目のチェックを実施しています。それぞれを慎重に確認し、患者様一人ひとりに合った、適切なアフターケアをご提供しています。

  • 膿が溜まっていないか
  • 出血はないか
  • 上顎洞低部の穴がないか(レントゲン撮影・CT撮影で確認)
  • 神経の破損はないか(レントゲン撮影・CT撮影で確認)
  • 血管に破損はないか(レントゲン撮影・CT撮影で確認)
  • 炎症が疑われる数値はないか(血液検査で確認)
  • インプラントと隣の歯が接触していないか
  • 心因性の痛みの可能性はないか
  • ブラーク評価
  • 炎症の評価
  • プロービングデプス(歯肉辺縁からポケット底までの距離)の評価

本町通りデンタルクリニックでは、インプラント治療に永久保証をお付けしております

本町通りデンタルクリニックでは、患者様に自分で噛む喜びをずっと感じていただきたい思いから、インプラント治療に永久保証をお付けしております。定期的な検診にしっかりと通っていただく必要はございますが、永久保証により、患者様のパートナーとしてずっと口内の健康を守りたいと考えています。

 

本町通りデンタルクリニックには、インプラント専門医はもちろんのこと、歯周病専門医、日本歯科保存学会専門医、矯正歯科認定医、医学博士など、専門知識を持つ歯科医師が多く在籍。各分野の医師が治療方針を検討し、患者様に最適な治療をご提案いたします。

 

2021年度、本町通りデンタルクリニックはインプラント治療数1,231本、年間インプラント手術数823本を実施しました。最善のインプラント治療を徹底的に考えご提案いたしますので、ぜひ安心してお任せください。

まとめ

インプラントのアフターケアは、手術直後のケア、自宅でのケア、定期検診でのケアの3種類に分けられます。

 

手術直後には患部を刺激しないようにしながら、衛生的に保つケアが必要です。自宅では細かな汚れも取り除くための丁寧なケアを実施し、定期的な歯科医院での検診で状況のチェックと本格的なケアを行なうことが大切です。

 

インプラント周囲炎や歯周病を予防し、健康的な口腔を維持するために、細やかなケアを意識しましょう。

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