インプラント治療の費用を安くする方法は?費用相場や高額な理由も解説

2025.09.04

 

機能性も審美性も非常に高いインプラントは、入れ歯、ブリッジに続く第3の選択肢と言えます。デメリットが気になる入れ歯やブリッジではなく、インプラントにしてみたいと思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、気にかかるのはその費用。

 

インプラントの治療が高額になってしまうには、いくつかの理由があります。その理由と共に、費用を抑える方法もご紹介していきます。

インプラント治療の費用相場はいくら?

まず、インプラント手術・治療費用の相場は一般的に1本あたり30~50万円程度となります。他の歯科治療と比べて一気に桁が跳ね上がるので、ここで驚く人がほとんどでしょう。

 

なぜそんな金額になるの?というと、以下のような項目・明細になっています。

 

  • レントゲン撮影:5,000円〜1万円
  • CT撮影:1万円〜3万円
  • 診断費用、治療計画の策定費用など:5,000円〜2万円
  • 単純抜歯:5,000円〜8,000円
  • 複雑抜歯(歯の一部が歯茎に埋没している場合):1万円〜3万円
  • 埋伏歯抜歯(歯が骨の中に埋没しており、骨を削らないと抜けない場合):3万円〜8万円
  • インプラント体(人工歯根)の費用:10万円〜25万円
  • アバットメント(インプラント体と人工歯をつなぐ支台):3万円〜8万円
  • 手術費用など:5万円〜10万円
  • 骨の量を増やす手術(骨造成):5万円〜20万円
  • 骨を持ち上げる手術(サイナスリフト):10万円〜30万円
  • プラスチック製の仮歯:5,000円〜1万円
  • 金属製の仮歯:1万円〜2万円
  • 人工歯:10万円~20万円

 

※患者様の口腔状況により変動します

インプラント治療の費用が高額になりがちな理由とは?

 

上記の各項目を見ても分かるように、インプラント治療は一般的な歯科治療よりもかなり高額になります。なぜ他の治療よりもこんなに高額になってしまうのでしょうか?

健康保険が適用されない

まず、保険が適用されない「自由診療」になる、ということが最大の理由です。

 

私たちが医療機関にかかるとき、診察券と共に健康保険証を受付に提出すると思います。健康保険証を提出することで、国や保険組合からの給付金が既に差し引かれた金額を私たちは会計時に支払っています。給付金は医療費の9割~7割を負担してくれていますので、差し引かれていない金額を見ると意外と高額になっていることが分かります。

 

これは医療保険制度が充実している日本だからこそで、誰もが気軽に医療機関にかかることができる有難い制度です。

 

しかし、欠損した歯を補う方法として入れ歯とブリッジという方法があるために、審美性が高く高度な技術が必要になるインプラントには保険が適用されません。

医療保険制度の対象となれば患者は1割~3割の自己負担で済むので、「保険適用外」になると一気に支払い額が跳ね上がります。

インプラント自体が高い

人工歯根を埋め込むインプラントは、主に以下の3つのパーツで構成されています。

 

  • インプラント体(人工歯根)
  • アバットメント(支台)
  • 上部構造(人工歯・被せ物)

 

歯茎を切開し、顎の骨に穴を開けてインプラント体を埋め込む手術をしますので、人体に馴染みやすい素材であるチタンが主に使用されます。

被せ物に使用される素材もセラミックやジルコニアなど、強度が高く審美性の高いものになります。

純度や品質の高いこれらの部品はどうしても高価になってしまいます。

設備費が高い

インプラント手術を行う前には、様々な検査が必要になります。一般的な歯科治療ではレントゲン検査のみがほとんどですが、歯茎や顎の骨の内部をより詳細に、立体的に捉えるためにはCT検査も必要になります。

 

それ以外にも、手術を行う際に使用する生体モニターやマイクロスコープ、口腔内スキャナなど、高度な医療機器を完備する必要があります。一般の治療椅子ではなく、専用の手術部屋の確保も必要です。

 

それらの設備を完備するには、かなり高額の設備投資が必要となります。

高度な技術が求められる

インプラント手術・治療は一般的な歯科医療知識とはまた違う知識が求められます。専門的な知識を学ぶためには、国内外の学会や勉強会に出席したり、多くの経験を積む必要があります。

 

それらの研修費用など、水準の高いインプラント手術・治療ができるようになるまではかなりの費用を投資しなければいけません。

治療期間が長い

入れ歯やブリッジの治療期間が大体1ヵ月~3ヵ月程度であるのに対して、インプラントは6ヵ月~1年程度と、長くなります。大がかりな手術をするために事前に様々な検査をしたり、術後も仮歯を入れて経過観察の期間を長くとります。

 

治療が終わったあとも定期的にメンテナンスが必要なため、他の治療法に比べると支払いが発生する頻度が高いと言えます。

インプラント治療の費用を安くする方法

 

インプラント治療を受けたいのに、この金額は現実的ではない、と思ってしまう方が多いと思います。しかし、費用を下げる方法や払いやすい方法を選ぶことは可能です。

 

「何十万円もいっぺんに払えないから」という理由でインプラント治療を諦めてしまう前に、ぜひ以下の方法をご検討ください。

医療費控除を受ける

日本には医療費控除という制度があり、1月1日~12月31日の間で10万円以上(年収が200万円以下の場合は年収の5%以上)の医療費を支払った人に、納めた所得税を返金してくれるものになります。インプラント治療のような保険適用外の治療も含まれます。同じ世帯の扶養家族が医療機関に支払った分も合わせることが可能です。

 

10万円以上ということは、自由診療のインプラント治療を受ければ必ずこの医療費控除が申請できることになります。

 

納めた所得税が戻ってくるのと同時に、翌年度の住民税も軽減されますので、この制度はぜひご利用ください。

 

ただし、申請する際はその年度の確定申告をご自身で行っていただく必要がありますので、その点だけご注意ください。

 

 

関連記事:インプラント治療は医療費控除の対象?還付金の計算・申請方法・注意点も解説

クレジットカードを活用する

歯科医院によっては、クレジットカードでの支払いを選択できることがあります。クレジットカードで分割払いを選択していただければ一括で大きな金額を支払う必要が無く、毎月の収入額の中からご無理のない金額で支払うことができます。

 

金利や手数料などを加えると総支払い金額は少し高くなりますが、数十万円という大きな金額を一括で支払うよりも無理がないという方は多いのではないでしょうか。

 

現金しか扱いの無い歯科医院もありますので、支払い方法の選択肢を先に問い合わせておくといいでしょう。

デンタルローンを活用する

住宅ローンやマイカーローンがあるように、歯科治療にもローン商品があります。歯科治療に使用した支払いを金融機関が一旦すべて立て替えて、患者様はその金融機関に毎月返済を行うというものになります。

クレジットカードの分割払いよりも金利や手数料が低い点がメリットです。

 

デンタルローンが利用できる歯科医院はあまり多くありませんので、治療を行う歯科医院を選ぶ際の条件の中に入れておくのもひとつです。

 

本町通りデンタルクリニックではデンタルローンのお取り扱いがあります。

利用金額に応じて、最大120回までの分割払いができます。ATMでの操上返済も可能です(手数料不要)。

 

<使用例 その1>

50万円(税込) 28回払い→毎月支払い金額 2万円/月

 

<使用例 その2>

100万円(税込) 38回払い→毎月支払い金額 3万円/月

 

詳細はアプラスの分割払いシミュレーションサイトをご利用ください。トップページのお申込みコード入力箇所には【07974959】とご入力ください。

https://customer.aplus.co.jp/eorder?serviceType=dental&formcheck=eorder

 

① 商品内容欄は「医療費用」を選択

② 製造者名・商品(役務)名・型式(種類)欄には、具体的治癒名を入力

③数量欄には、数字の「1」と入力

④ 治癒費用(税込)を入力

 

→アプラスより事前確認の結果をお電話にてご連絡させていただきます。

あくまでも事前確認となりますので、実際には医院にて正式な合計費用を算出の上、お申し込みしていただく必要がございます。

 

関連記事:インプラント治療の費用は分割払いできる?3つの方法とメリット・デメリットを全解説

健康保険の適用可否をチェックする

基本的には自由診療となるインプラント治療ですが、稀に保険が適用されるケースがあります。

【先天的理由】

  • 生まれつき、顎骨の3分の1以上が欠損している
  • 生まれつき、顎骨が形成不全である
  • 骨移植を行ない、顎の骨を再建した

【後天的理由】

  • 第三者による事故で顎骨を損傷した
  • 病気によって顎骨を欠損した

【医療施設の条件】

上記の条件を満たしている場合、以下の医療施設にて治療を受けることも義務付けられています。

  • 歯科または歯科口腔外科の病院である
  • 歯科または歯科口腔外科の分野で5年以上の経験がある、または3年以上のインプラント治療の経験がある常勤の歯科医師が2名以上在籍している
  • 当直体制が整っており、万一のトラブルに対応できる
  • 医療機器の保守管理や、医薬品にかかわる安全確保が徹底されている

 

保険が適用される条件、治療を受けることができる病院の条件もかなり厳しいため、残念ながらほとんどの人は保険適用とはなりません。

 

関連記事:インプラント治療が保険適用になる3つの条件とは?費用負担を抑える方法も紹介します

オーバーデンチャーやオールオン4/6で治療する

欠損歯が1~2本ではなく3本以上となる場合は、それぞれをすべてインプラントにするのではなく、オーバーデンチャーやオールオン4やオールオン6という治療法も選択肢に入れることができます。

 

どちらもインプラントを埋め込む本数を減らせるので、費用を下げることができます。

オーバーデンチャー

 

歯の多くを失ってしまった場合に、部分的にインプラント体を埋め込み、アバットメントと入れ歯を固定する方法です。

 

一般的に、総入れ歯にした場合は専用の安定剤を使用して口の中に固定しますが、安定度が低く、温かいものを食べると溶剤が溶けだして不快感がある、などの欠点があります。

オーバーデンチャーにすると安定剤を使う必要がありませんので、安定度が増して不快感も軽減されます。

 

このアバットメントは取り外しができるタイプですので、お手入れがしやすいメリットもあります。

オールオン4/6

 

こちらもオーバーデンチャーと似た構造ですが、オーバーデンチャーと違ってアバットメントは固定されています。

 

オーバーデンチャーは部分入れ歯にも対応できますが、オールオン4/6はすべての歯を抜歯する必要があります。

 

オーバーデンチャーもオールオン4/6も、単体のインプラント手術を行うよりも更に高度な技術が必要であるため、対応している歯科医院が限られてきます。本町通りデンタルクリニックではご対応しております。

 

関連記事: 歯を全部インプラントにできる?おもな治療方法や特徴・注意点

他の治療法と組み合わせる

オーバーデンチャーやオールオン4/6は歯の多くを失ってしまった場合に検討される手法です。

そこまで多くの人工歯ではなく、例えば連続した歯3本を失ってしまった場合には、インプラントとブリッジの手法を掛け合わせた「3本連結インプラント」という方法もあります。

 

 

3本のうちの両端の2本だけをインプラントにして、3本のつながった義歯をかぶせるという方法です。こちらも3本それぞれをインプラントにするより費用が安くなります。

 

これ以外にも、失った歯の箇所によって様々なご提案が可能ですので、ぜひご相談ください。

 

関連記事:奥歯の3本連結インプラントの費用目安とは?内訳と費用を左右する項目についても解説

複数の歯科医院で相見積もりをとる

自由診療であるインプラントは、歯科医院それぞれに自由に治療費を設定することができます。

 

単なる利益率の話のみではなく、使用している機器の数・種類、雇用しているスタッフの人数、立地などによって費用は左右されます。

 

「インプラント治療を行っている歯科医院が近所にあったから」という理由で即決してしまうのではなく、「会社帰りに寄れる範囲」など、ご自身の生活スタイルの中で通いやすいエリアの歯科医院にそれぞれ問い合わせをして、相見積もりをすることもコストダウンのコツのひとつです。

 

しかし、「安かったから」と費用面のみで決めてしまうことにはリスクがあります。安心して治療を任せられる態勢かどうか、担当医の実績や知識、対応面、支払い方法の選択肢、保証内容の充実度など、総合的に判断することが最も重要です。

 

関連記事:インプラントってなぜ高額なの?その理由と信頼できるクリニックの選び方

まとめ

どうしても高額になってしまうインプラント治療について、その理由と費用を抑える方法をご紹介しました。

 

審美性が高いがゆえに保険適用外とされているインプラントではありますが、入れ歯やブリッジには無い快適さやメリットが多くあります。

 

入れ歯の耐用年数は4~5年程度、ブリッジは7~8年程度、インプラントは10~15年以上になり、それを考えると一時的な支払金額は高額になりますが「インプラントだけが飛び抜けて高い」という結論には直結しない部分もあります。

 

「高いからインプラントは無理」と諦めずに、ご予算も含めて歯科医院にぜひ相談してみてください。本町通りデンタルクリニックでも随時お問い合わせを受け付けております。

 

 

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