インプラント「オールオン4」の費用は?相場や注意点も解説

2025.09.02

 

人工的な歯根を埋め込む方法で義歯を固定するインプラント。1本あたりの相場価格は30~50万円ですので、例えば3本以上を入れると100万円を超えてしまうことが一般的です。

 

インプラント治療を検討している本数が多い場合、「オールオン4」と呼ばれる治療法を選択すると治療費を抑えることが可能です。

 

「オールオン4」とは一体どのような治療方法なのでしょうか。

 

メリット・デメリットをそれぞれお伝えするとともに、安全で確実な治療を受けるための注意点・ポイントもあわせてご説明していきます。

インプラント治療のオールオン4とは?

インプラント治療の「オールオン4」は、最小4本のインプラントで歯1列すべてを支えることのできる治療法です。

 

オールオン4は、歯のほとんどを失い、総入れ歯を検討していた人などにおすすめの治療法になります。

 

総入れ歯とは、1列全てを抜歯して、ペースト状の入れ歯安定剤で歯茎と入れ歯を接着させます。

 

しかし、ペースト状のもので歯茎と密着させているだけの状態なので、ズレたりはずれたりしやすく、温かい食べ物を食べると安定剤が溶け出してしまう等の欠点があります。

 

インプラントは顎の骨に埋め込んだ部品と人工歯をしっかり繋いでいますので、自分では取り外せない仕組みになっています。入れ歯のようにズレたりはずれたりすることは無く、普段のお手入れも一般的な歯磨きのみです。

 

機能性や審美性が優れている上に、インプラントを5本以上入れる必要のある方には費用を抑えられる治療法となります。

オールオン4の費用相場

 

オールオン4は片顎あたり(1列)180~360万円程度が相場となります。

 

単純計算で、インプラントを5~6本以上入れなくてはいけない方だと、オールオン4のほうがコストが抑えられることになります。

 

1本のインプラントもオールオン4も、保険適用外の治療ですので、全額自己負担となります。

 

相場価格に幅があるのは、自由診療ゆえに歯科医院ごとに差があったり、患者様の体質によって処置が異なりますので、価格がまちまちとなっています。

 

関連記事:インプラント(オールオン4)と総入れ歯の費用目安とは?メリット・デメリットを徹底比較

上部構造(人工歯)の素材による費用の違い

インプラントの治療費を構成している項目の中で、人工歯の費用も大きな割合を占めています。

 

オールオン4に限らず、インプラント治療において使用される最もポピュラーな素材は「セラミック」となります。

 

セラミックは硬度も見た目もメリットが多く、自分の歯とほぼ変わらない使い心地を再現できる優秀な素材です。

 

人工歯と言えば、差し歯やブリッジ、入れ歯などで多く選ばれる素材は硬質プラスチック(レジン)となります。レジンは保険が適用される素材のため、安価であることがその理由です。

 

しかし、天然歯のような透明度が無いので人工歯であることは一見すればすぐ分かってしまうこと、固いものを噛むと破損の可能性があること、着色汚れがつくことなどがデメリットとして挙げられます。

 

インプラント治療はそもそもが保険適用外の治療ですので、使用する人工歯は硬質プラスチックにする必要は無く、多くの方が選ぶのがセラミックとなります。

 

セラミック以上に硬度の高い素材ですとジルコニア、それ以外にもご要望や生活習慣に合わせた様々な素材からお選びいただけます。

 

関連記事:インプラントの素材の種類とは?パーツ別に各素材のメリット・デメリットを紹介します

クリニックによる費用の違い

先ほど少しお伝えしたように、自由診療となるインプラントは各歯科医院が自由に価格を設定できます。

 

利益率もそれぞれ異なりますし、導入している設備の種類や数、スタッフの人数、立地などによって見積り金額が算出されます。

 

各歯科医院が扱っているインプラント部品も様々なメーカー・種類があり、その価格もそれぞれです。

 

歯科医院によってどれくらいの違いが出るのかは、複数の歯科医院で見積りをお願いして比較してみるといいでしょう。

オールオン4の費用を抑えるポイント

1本ずつのインプラントを複数埋めるより、オールオン4のほうが費用を抑えられることをお伝えしました。

 

とはいえ、オールオン4の相場価格は180~360万円ですので、かなり大きな買い物になることは変わりありません。少しでも費用を抑えるためにできる工夫・コツがいくつかありますので、解説していきます。

医療費控除を利用する

日本には「医療費控除」という制度があります。1月1日~12月31日の間で支払った医療費が10万円を超えた場合に、それを申告すれば納めた税金が返金(還付)される制度です。

 

この医療費控除制度は保険適用外の治療にも使用することができます。インプラント治療は10万円を超える治療となりますので、ぜひ医療費控除制度を利用して負担を減らしましょう。

 

 

関連記事:インプラント治療は医療費控除の対象?還付金の計算・申請方法・注意点も解説

デンタルローンや院内分割を利用する

治療費の支払い方法は各歯科医院によってそれぞれです。現金かクレジットカードのみの場合がほとんどのようですが、中にはデンタルローンを扱っている歯科医院もあります。

 

デンタルローンとは、歯科治療で支払った費用を金融機関が一旦立て替え、患者様がその金融機関に分割で返済していくローン商品となります。

 

カード支払いでの分割支払いよりも手数料や利息が少ないことがメリットではありますが、デンタルローンを扱っている歯科医院があまり多くないことが弱点ではあります。

 

インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶ際に「デンタルローンを扱っている」を条件のひとつに加えてみることもおすすめします。

 

また、分割手数料や利息が不要、もしくはかなり安価である「院内分割」という支払い方法が選べる歯科医院もあります。歯科医院によって審査基準が設定されていますが、審査が通れば分割して歯科医院に直接支払っていくことができる便利な制度です。

 

院内分割はデンタルローンの取り扱い率よりも導入率が低いので、院内分割を選べる歯科医院がお近くにあるかどうか、少しハードルが高いかもしれません。

 

本町通りデンタルクリニックでは院内分割制度を導入しておりますので、ぜひお問い合わせください。

モニター制度を利用する

美容院に「カットモデル」としてカット代を安くしたり無料にする制度があるように、インプラント治療にも「モニター制度」がある場合があります。

 

モニター制度は、施術前後の写真や体験談などをクリニックに提供することで割引が受けられる制度になります。

 

こちらも院内分割同様、実施している歯科医院はあまり多くありませんが、歯科医院を選択する際に問い合わせてみるといいでしょう。

オールオン4のメリット

1本ずつのインプラントを複数埋めるよりもオールオン4を選んだほうがいいとされる理由は、以下のものが挙げられます。

 

  • 治療期間が短く、体への負担も少ない
  • インプラントの埋入本数が少ないので費用を抑えられる
  • しっかりした骨のある部分に埋入できるので顎の骨が薄い方でも治療ができる

オールオン4のデメリット

一方で、オールオン4にはデメリットも存在しますので、その両面をしっかり認識・把握してから選択することをおすすめします。

 

  • オールオン4が選択できるクリニックが限られている
  • 健康な歯が残っている場合でも、1列すべて抜歯しなければならない

安いクリニックは大丈夫? 注意点を解説

 

100万円以上はかかるオールオン4ですので、「少しでも安い歯科医院を選びたい」という心情になるのは当然のことです。

 

しかし、相場よりもあまりにかけ離れて安い費用を提示してくる歯科医院には注意が必要です。一体なぜなのでしょうか。

 

その理由と共に、費用面でも技術面でも納得できる歯科医院を選ぶためのポイントをお伝えします。

安全性が考慮されているかを確認する

医療行為において最も優先されるべきは「安全性」です。どんなに高い治療費でも、安い治療費でも、その安全性が確保されていなければ元も子もありません。

 

相場よりも安い治療費を提示してくるのには、必ず理由があります。単に「利益率を下げているから」だけではない以下のようなケースもありますので注意が必要です。

 

  • 必要不可欠な事前検査を行っていない
  • 安全性が確認されていないマイナーなメーカーの部品を使用している
  • 必要な設備が備わっていない
  • アフターフォローが万全ではない

 

これらを確認するためには、事前問い合わせやカウンセリングの際に歯科医師やスタッフから丁寧で詳細な説明がされるかどうかや、今までインプラント治療を行ってきた実績数などで確認するといいでしょう。

費用に全ての項目が含まれているかを確認する

見積りを依頼して、提出された見積書の項目もチェックが必須です。

 

インプラント治療には主に以下のような費用項目が挙げられます。

 

  • レントゲン撮影:5,000円1万円
  • CT撮影:1万円3万円
  • 診断費用、治療計画の策定費用など:5,000円2万円
  • 単純抜歯:5,000円8,000円
  • 複雑抜歯(歯の一部が歯茎に埋没している場合):1万円3万円
  • 埋伏歯抜歯(歯が骨の中に埋没しており、骨を削らないと抜けない場合):3万円8万円
  • インプラント体(人工歯根)の費用:10万円25万円
  • アバットメント(インプラント体と人工歯をつなぐ支台):3万円8万円
  • 手術費用など:5万円10万円
  • 骨の量を増やす手術(骨造成):5万円20万円
  • 骨を持ち上げる手術(サイナスリフト):10万円30万円
  • プラスチック製の仮歯:5,000円1万円
  • 金属製の仮歯:1万円2万円
  • 人工歯:10万円~20万円

※患者様の口腔状況により変動します

 

これらの詳細を省き、総額のみの記載しかないような歯科医院はあまりおすすめしません。

オールオン4の費用を理解し、賢く選択しよう

インプラント治療のひとつであるオールオン4を行っている歯科医院はそれほど多くないので、認知度もあまり高くありません。なぜなら、非常に高い技術と知識が必要だからです。

 

インプラント治療は一般的な歯科治療とは異なる専門の技術や知識が必要です。そこに加えてオールオン4はさらに高度な技術や知識が求められますので、治療を行える歯科医院が限られてくるという背景があります。

 

しかし、多くの歯をインプラントにしなくてはならない場合、オールオン4にしたほうが得られるメリットが多いケースもあります。

 

オールオン4は勇気の要る金額にはなりますが、歯の多くを失ってしまって総入れ歯にしなくてはいけない状況になったとき、選択肢のひとつに入れてみてください。

 

もし通える範囲の歯科医院の中でオールオン4を行っている歯科医院があれば、ぜひ検討して問い合わせてみましょう。

 

本町通りデンタルクリニックでももちろんオールオン4の施術を行っておりますし、費用面でのご相談も受け付けております。

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