インプラントと入れ歯の違いとは?それぞれのメリット・デメリットを8つの観点から全解説
2025.04.02
抜歯になって自分の歯を失った場合、人工歯を入れる治療法は主に3種類あります。
その中でも医療保険が適用されるブリッジか入れ歯を選択する人が現在は多くいらっしゃいます。
しかし、そのどちらにも不便な点やデメリットがあり、「もう少し快適に過ごせる義歯はないものか」というお悩みをよく聞きます。それらを革新的にカバーできるのがインプラントであり、入れ歯・ブリッジに加えて第3の選択肢に入れていただくことをおすすめします。
入れ歯とインプラント、一体どの点が違って、それぞれにどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。重要な8項目に分けてご説明していきます。
インプラントと入れ歯の違い|8つの観点で解説
歯を失った際に義歯を作る治療法として昔からある入れ歯ですが、インプラントは入れ歯とは全く違った治療法になります。
歯の治療に限らず、どんな治療にもメリットがあればデメリットもあります。それらをしっかり理解した上で、選択していただくことが最も重要です。
以下の8つの観点で、入れ歯とインプラントを比較していきます。
外科手術の有無
インプラントとは、「インプラント体」と呼ばれる人工歯根を埋入する治療法のことをいいます。本来ならば自分の歯の根があった場所に、金属でできたインプラント体を埋め込み、そこからアバットメントと呼ばれるネジ状の部品を出して義歯と繋げる構造になっています。
埋め込む場所は歯茎の奥にある顎の骨ですので、外科手術を伴います。
手術室に入り、麻酔をかけて歯茎を切開し、顎の骨を削っていきますので、歯科医院が行っている治療の中では最も大がかりな治療と言っていいでしょう。ただし、しっかりと麻酔をかけていきますので、痛みはほとんど感じません。
入れ歯やブリッジなど、従来の治療法と全く違う点は、顎の骨に歯根を埋め込んでいて自立していますので、両隣の歯に頼ることなく、安定力もずば抜けていることです。
入れ歯は抜歯して空いてしまった隙間に義歯を置くだけの治療になります。歯茎にメスを入れたり、外科手術をすることはありません。
両隣の歯に金属のフックを引っ掛けて固定しているだけなので、インプラントよりも不安定で、咀嚼力も大きく違います。
保険適用の可否と治療費の目安
インプラントは審美性が互いがゆえに、基本的には保険適用外の治療となります。相場としては1本あたり30~50万円で、体質や口腔環境などによって費用は人それぞれになります。
歯科医院によって支払い方法は各種あり、すべての歯科医院が現金一括払いというわけではありません。銀行が用意している「デンタルローン」というローン商品を扱っている歯科医院もありますし、クレジットカード決済によって分割払いを選択できる場合もあります。
ごく一部、インプラント治療に保険が適用されるケースもありますが、先天的な疾患であったり、事故などによって歯を大幅に失ってしまった場合などに限られます。(関連記事:インプラントは保険適用になる?健康保険で治療を受けられる条件を解説)
入れ歯は保険適用内の素材(レジンなど)で作られた義歯を選べば、5千円程度から作ることができます。ただ、透明度やツヤが天然歯と明らかに違うので、一見して義歯だと判別できてしまいます。
ちなみに、インプラントに使う義歯は、治療自体が既に保険適用外ですので、天然歯と見分けがつかないほどの素材から選ぶことができます。
治療期間の長さ
外科手術をして顎の骨に穴を開けて部品を埋めるインプラント治療は、部品が骨にしっかり定着するまでに一定期間の待機時間が必要です。
手術に入るまでにも、インプラント手術が可能な歯の状態かどうかを調べるために様々な精密検査を行いますので、治療完了までに早くても3ヶ月、長い場合は1年ほど要します。
骨量が足りない患者様の場合には、骨量を増やす前処置が必要になることもあります。
入れ歯は手術を行いませんので、一般的に1~2カ月程度で治療が完了します。早ければ3回ほどの通院で終えることができますが、加齢によって少しずつ歯茎の形も変わりますし、咀嚼の癖や就寝時の食いしばりなどで不具合や痛みが出てくることもあります。
その経過を見て微調整を行うためにも、治療後も定期的に検診を続けていく必要があります。
お手入れの方法
インプラント治療完了後は、自分の歯と同じように歯磨きをすることが基本のお手入れとなります。
ただ、インプラントの部品が歯茎に埋まっているため、歯茎と部品の隙間に細菌が侵入すると「インプラント周囲炎」というインプラント特有の歯周病にかかるリスクがあります。細菌が繁殖して入り込まないよう、歯茎を傷つけないように丁寧に優しく隅々まで磨いていくことがとても大切です。
入れ歯の場合は歯磨きの度に入れ歯を取り外し、専用のブラシや洗浄剤で汚れやにおいを取り除くお手入れが必要になります。
歯磨きとは別にこれらの作業が必要になりますので、インプラントよりひと手間かかるのが入れ歯のデメリットと言えます。
見た目の自然さ
インプラントは、被せる義歯自体も天然歯と変わらぬ再現度が実現できますし、部品が露出していないため、天然歯と義歯との見分けがつかないほど自然で美しい仕上がりになります。
入れ歯は口を開けた時にあまり見えないような位置の奥歯ではないかぎり、金属製のフックが目立ちます。歯のみではなく歯茎の一部も入れ歯になりますので、本物の歯茎と入れ歯の歯茎の境目も確認でき、入れ歯を入れていることは傍目に見て一目瞭然と言えます。
噛む力の強さ
インプラントと入れ歯の最も大きな違いが、「噛む力」です。顎の骨にしっかり固定されているインプラントと、歯茎の上に置いているだけの入れ歯では咀嚼力に大きな差が出るのは当然です。
自分の歯の咀嚼力を100%とした際に、インプラントは80~100%の咀嚼力、部分入れ歯は30~40%、総入れ歯では10~20%程度の咀嚼力になってしまいます。無理に噛もうとすれば入れ歯の破損に繋がりますし、痛みを感じてしまいますので、入れ歯で従来通りの食事を楽しむことはなかなか難しいと言っていいでしょう。
違和感・痛みの有無
インプラントは顎の骨にしっかりと固定されているため、ズレることがありません。そのため、固いものを噛んだりしても痛みや違和感が生じにくい状態になっています。
入れ歯は両隣の歯にフックを引っ掛け、粘着性のある入れ歯などで歯茎との接着性を高めることはできますが、インプラントと比べるとどうしてもズレやすいデメリットがあります。
また、フックが歯茎や舌、頬の内側に当たって痛みを感じたり違和感を覚える患者様も多くいらっしゃいます。そのようなことがないようにできる限りピッタリとフィットした入れ歯をお作りしておりますが、お食事や会話などで口を動かす際にこすれ、痛みを感じるケースが少なくありません。
特に入れ歯を入れて間もない時期にはこのような不具合が出やすく、「入れ歯が合わない」とご相談される患者様も多くいらっしゃいます。
寿命の長さ
インプラントはその耐用年数、寿命の長さも大きなメリットのひとつです。一般的には10年程度と言われていますが、丁寧なお手入れと定期メンテナンスを続けていただければ、再手術は必要ないまま、一生お使いいただけるケースも大いにあります。
入れ歯はレジン製のもので3~5年ほど、金属製のもので5~6年ほどの寿命になります。特にレジン製のタイプは洗浄剤だけではにおいも取れにくくなり、年齢とともに歯茎の形も変わってくるため、入れ歯の作り直しが必要になってきます。
インプラントと入れ歯で迷った際の判断基準
入れ歯とインプラントでは、多くの面でかなりの違いがあることをお伝えしました。一見しただけですと「圧倒的にインプラントのほうが快適」と思えるかもしれませんが、体質や生活習慣、歯に望む役割などは人それぞれ違います。
抜歯後の治療法でインプラントのほうがおすすめの方もいらっしゃいますし、入れ歯のほうが快適に過ごすことができる方もいらっしゃいます。
「自分はどっち向きなんだろう?」と悩んでいる方に、選ぶ際のポイントをそれぞれお伝えします。
インプラントがおすすめの方の特徴
以下のような考え方や体質の方にはインプラントのほうがおすすめです。
- 入れ歯の使用に抵抗感がある
- 入れ歯がうまくフィットせず、痛みを感じる
- 残っている健康な歯を少しでも長持ちさせたい
- 見た目の美しさを重視したい
- しっかり噛んで食事を楽しみたい
- 日々のセルフケアの負担を減らしたい
- インプラントを埋入できるだけの骨量、骨密度がある
既に入れ歯で生活をされていて、痛みや違和感を常に抱えていて食事もあまり楽しめない、というお悩みをお持ちの方には特におすすめです。
「入れ歯だと知られたくないから口を隠す癖ができてしまった」というお悩みをお持ちの方も多くいらっしゃいますので、機能性も審美性も圧倒的に高いインプラントは、非常に満足度の高い治療法になるでしょう。
入れ歯がおすすめの方の特徴
インプラントは長所の多い治療法ではありますが、人によっては入れ歯をおすすめする場合もあります。
- 外科手術による心身の負担を軽減したい
- 高額な治療費をかけたくない
- 入れ歯のデイリーケアの手間が気にならない
- 歯を失い、初めて治療を受ける
- ほぼすべての歯を失っている
- 左右の歯がバランスよく抜けている
- 見た目はそれほど気にしない
お仕事などで通院時間が取りづらく、治療を終えるまで通いきれない可能性がある方や、日々の生活費を圧迫してしまうほど無理な支払い計画になる可能性のある方には、インプラントはあまりおすすめできません。
何か大きな持病を抱えている方や妊娠中の方もインプラントには不向きと言えますので、入れ歯をおすすめすることがあります。
初めて抜歯をした方は、まずは入れ歯にしておいて、不具合や不快感が出てきてからインプラントにするのもひとつです。
まとめ
入れ歯とインプラント、それぞれの違いと特徴、どちらかを選ぶ際のポイントなどをご説明してきました。
インプラント治療を受けられた患者様のほとんどはその快適さに驚かれます。特に、入れ歯で不便な思いをしてきた患者様はその違いに感動されていらっしゃいます。
インプラントというのはそれほど革新的で画期的な治療法ですが、費用や治療期間などで入れ歯よりもマイナスポイントになる部分があるのも事実で、高い治療費を支払ったのに後悔が残ってしまうことだけは避けていただきたいと思います。
入れ歯とインプラントの他にブリッジという選択肢ももちろんあります。本町通りデンタルクリニックでは、患者様の生活スタイルや重視するポイントなどをしっかりヒアリングさせていただき、費用の面でも機能性の面でも、最適な治療法をご提案いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。