インプラントの保証期間はどれくらい?保証の条件や確認すべきことを徹底解説
2025.02.06
インプラント治療を受けると、天然歯とほぼ同じ感覚で食べ物を噛めるだけでなく、見た目も美しい仕上がりになります。治療後の保証も用意されているため、万が一トラブルが起こったとしても、最低限の負担で再治療を受けることが可能です。
しかし、インプラントの保証期間はどのくらいなのか、保証の適用に条件はあるのか、といった点が気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、インプラントの保証期間の目安や、保証を受ける条件、インプラントの寿命と長持ちさせるコツなどについて、詳しく解説します。
インプラントに保証期間はある?
インプラント治療を受けると、一定期間保証を受けられます。患者様のインプラント治療に対する不安を取り除くとともに、経済的な負担を和らげることが目的です。
具体的には、インプラント治療後に、何らかの理由でインプラントが破損・脱落してしまった場合に保証が適用されます。保証内容に関しては、再治療やパーツの修理といったアフターフォローを「無料」もしくは「治療費の一部を自己負担」で受けられるケースが一般的です。
ただし、治療を受ける歯科医院やインプラントのメーカー、選択した治療方法によって、保証期間や適用条件は異なります。したがって、歯科医院のホームページをチェックする、歯科医師に直接問い合わせるなどして、治療を受ける前にしっかり確認しておきましょう。
インプラントの保証期間は平均でどれくらい?
インプラントの保証期間は、歯科医院やメーカーによって変動しますが、平均は5~10年程度です。ただし、パーツによって保証期間が異なるケースもあるため、注意が必要です。
インプラントは、おもに以下の3つのパーツによって構成されます。
- 上部構造(人工歯)
- 支台部(アバットメント)
- 歯根部(インプラント体)
3つのパーツのうち、特に人工歯は破損しやすいので、保証期間も短めに設定される傾向にあります。「人工歯は5年保証、アバットメントとインプラント体は10年保証」といったように、個別に保証期間が設けられることも珍しくありません。
また、以下のようにインプラント治療後の経過年数に応じて、保証内容が変わるケースもあります。
- 保証期間内であれば、いつでも無償保証
- 治療後5年間は無償保証、5年以上10年間未満は有償保証
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インプラントの保証を受ける条件
インプラントの保証を受けるには、一般的に以下のような条件を満たす必要があります。
- 保証期間内である
- 定期的なメンテナンスを受けている
- 日常生活による破損・脱落である
- 医師の生活指導に従っている
ここでは、各条件の詳細を紹介します。
保証期間内である
前述のとおり、インプラントには歯科医院やメーカーによって定められた保証期間が存在します。その保証期間を過ぎていないことが、保証を受けるための絶対条件です。
保証期間を1日でも過ぎてしまった場合、保証は適用されません。再治療やパーツの修理を依頼することは可能ですが、全額自己負担となる可能性があります。
したがって、インプラントに何かしらのトラブルが生じた場合は、まず保証期間の詳細を確認することが重要です。保証書や契約書などの提示を求められるケースもあるため、書類は治療後も大切に保管しておきましょう。
定期的なメンテナンスを受けている
インプラントの保証を提供するにあたり、大半の歯科医院やメーカーは「定期的なメンテナンスを受けていること」という条件を定めています。したがって、指示に沿って適切なメンテナンスを受けていなければ、保証対象外になってしまうかもしれません。
インプラント治療は手術を受けて完了ではなく、手術後も定期検診を受けてメンテナンスをしてもらう必要があります。そして、口腔内の状態を清潔に保つことも大切です。
治療後のメンテナンスを怠ると、インプラントに不具合が生じ、結果的にインプラントの寿命を縮めることになりかねません。また、インプラント周囲炎を発症して顎の骨が溶けることでインプラントが抜け落ちたり、残っている天然歯に悪影響が生じたりするリスクも高まるでしょう。
「インプラントを長持ちさせる」「顎の骨や天然歯を守る」という目的を踏まえても、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。患者様の歯の状態によってメンテナンスの頻度は異なりますが、万が一のトラブルに備えられるよう、必ず指示された頻度で受診しましょう。
日常生活による破損・脱落である
インプラントの保証対象になるのは、原則、日常生活(食事、歯磨きなど)のなかで起こりうる破損・脱落のみです。例えば、固い食べ物を噛んだ際にインプラントが抜け落ちてしまった場合には、保証が適用されます。
一方、以下のようなケースに当てはまる場合は、保証対象外となる可能性があります。
- 故意にインプラントを破損させた
- 交通事故で身体に強い衝撃を受けた結果、破損・脱落が起こった
- 自然災害から逃げた際に予期せぬ強い力がかかり、破損・脱落が起こった
保証の適用可否はインプラントの破損・脱落の原因によって変わるため、あらかじめ確認しておきましょう。
医師の生活指導に従っている
インプラント治療では、医師から患者様に対する生活指導も行なわれます。その指導内容に従わずトラブルが発生した場合には、保証は適用されません。
例えば、喫煙習慣のある方に対してインプラント治療を行なう歯科医師は、禁煙を指示することがほとんどです。しかし、禁煙の指示を守らなかった結果、インプラントが保証対象外になってしまう患者様は少なくありません。
喫煙は、インプラント周囲炎の発症リスクを高めるだけでなく、インプラント体の定着を阻害するおそれもある行為です。実際、喫煙者のインプラントが1年以内に抜け落ちる確率は、非喫煙者の約2倍といわれています。
インプラントの保証について、事前に確認すべきこと
インプラント治療を受ける場合、保証期間の長さと併せて、以下のような内容を事前に確認しておくことをおすすめします。
- 保証の範囲
- 自己負担の金額
- 保証を受けられる回数
- 保証が始まるタイミング
それぞれについて、詳しく解説します。
保証の範囲
インプラントは、おもに人工歯・アバットメント・インプラント体で構成されていますが、保証の範囲は歯科医院やメーカーによって異なります。3つのパーツすべてに保証が適用されるケースもあれば、インプラント体のみを保証対象とするケースもあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。
また、パーツによって保証期間が異なることもあります。それぞれのパーツにいつまで保証が適用されるのか、必ず詳細を確認しておきましょう。
自己負担の金額
インプラントの保証期間内であっても、再治療やパーツの修理が必ずしも無料になるわけではありません。治療費の全額を負担してもらえるケースがある一方で、一部のみ自己負担になるケースや、保証金額の上限が決まっているケースもあります。
インプラント治療は高度な医療行為であるため、再治療やパーツの修理時に想定以上の治療費がかかってしまうかもしれません。いざというときに備えて、自己負担分の金額もチェックしておきましょう。
また、歯科医院によっては、免責金額や有償保証制度を設けているところもあります。
- 免責金額:治療から一定期間が経過すると、保証金額が減額される
- 有償保証:トラブル発生時は無償で治療してもらえるが、保証費用を一定期間支払う必要がある
経済的な負担を抑えるためにも、ホームページや保証書の説明にはしっかりと目を通しておくことが大切です。
保証を受けられる回数
歯科医院によって、インプラントの保証を受けられる回数は異なります。
保証期間内であれば何度でも保証を適用できるケースもあれば、期間全体の保証回数に上限が定められているケースもあるため、忘れずにチェックしておきましょう。
また、一定期間が経過すると無制限から有限に切り替わるケース、限度額に到達したら保証が終了するケースなど、ほかにもさまざまなパターンがあります。
保証が始まるタイミング
保証が始まるタイミングも、歯科医院やメーカーによって異なるため、注意が必要です。
「インプラント治療完了直後から適用可」「インプラント治療が完了してから数ヵ月が経過し、インプラント体が顎の骨に定着する時期から保証開始」など、さまざまなケースがあります。したがって、保証が開始されるタイミングの確認も忘れずに行ないましょう。
インプラントの寿命はどれくらい?
インプラントの寿命は、インプラント体を埋め込んだ場所や患者様の口腔内の状態、使用したインプラントのメーカーによって変動しますが、平均寿命は10~15年程度といわれています。
一方、厚生労働省が公表している資料によると、インプラントの10~15年の累積生存率は上顎で約90%、下顎で約94%です。9割以上の方が10~15年ほどインプラントを使い続けている結果を考えると、実際の平均寿命はさらに長い可能性があります。
参考:厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」 歯科インプラント治療のための Q&A|日本歯科医学会厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」歯科インプラント治療の問題点と課題等 作業班
しかし、上記の平均寿命は、メンテナンスやセルフケアあってのものです。長期間メンテナンスを受けなかったり、日々のお手入れを怠ったりすると、より短い年数で寿命を迎えることも考えられるため、あくまでも参考程度と捉えておきましょう。
また、歯科医師の技術もインプラントの寿命に影響します。インプラントの機能を長期間維持するためには、確かな経験と豊富な実績を有する歯科医院を選ぶことも重要です。ホームページや口コミサイトで、歯科医院の情報を十分にチェックすることをおすすめします。
インプラントを長持ちさせるために心がけたいこと
最後に、インプラントを少しでも長持ちさせるために、日頃から心がけたいことを紹介します。
定期的に検診・メンテナンスを受ける
定期的に検診・メンテナンスを受けなければ、インプラントの残存率は大きく低下します。歯科医師による口腔内の状態チェックを受けたり、歯石やプラークを除去してもらったりすれば、インプラント周囲炎を予防して、インプラントの寿命を延ばせるでしょう。
禁煙する
喫煙すると歯茎の血流が悪くなり、インプラント周囲炎の発症確率が高まります。ほかの天然歯や内臓にも悪影響を与えるため、インプラント治療を契機に禁煙することをおすすめします。
日々の口腔ケアを徹底する
インプラントを良い状態で長持ちさせるためには、自宅でのセルフケアが必須です。丁寧なブラッシングはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシも使って口腔内を清潔に保ちましょう。
歯ぎしり・食いしばりなどの癖を見直す
就寝中に起こる歯ぎしり・食いしばりといった癖は、インプラントに負担をかける原因の一つです。歯科医院で治療できる可能性があるので、ぜひ一度相談してみてください。
全身の健康維持に努める
骨粗しょう症や糖尿病を患うと、インプラントを支える顎の骨が弱ってしまいます。普段の生活習慣を見直して、健康状態を改善させましょう。
違和感があれば、早めに歯科医院に相談する
「インプラントのぐらつきを感じる」「食べ物を噛みにくい」など、何らかの違和感が生じることもあるでしょう。その場合は、早めに歯科医院に相談してください。
まとめ
インプラントの保証期間の長さは、5~10年程度が一般的ですが、歯科医院やメーカーによって変動します。保証範囲や自己負担の金額といった保証内容にもばらつきがあるため、事前に歯科医師やスタッフに確認することが大切です。
保証期間を過ぎている、定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けていない、といったケースでは、保証を受けられない可能性があるので、事前に保証条件も把握しておきましょう。
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