奥歯のインプラント治療は難しい?その理由やメリット・デメリットを詳しく解説
2025.05.01
インプラントは、自分の歯と変わらない感覚でものを噛むことができるおすすめの治療法です。ものを食べて咀嚼をする役割は主に奥歯にありますので、奥歯に人工歯を入れる場合、咀嚼能力のあまり高くない入れ歯やブリッジよりも、インプラントのほうが快適に食事などを楽しんでいただけます。
しかし、奥歯をインプラントにする技術は前歯と比べて難しいという噂も一部あるようです。それは本当なのでしょうか?奥歯をインプラントにする場合のメリット・デメリットと併せてご説明していきます。
奥歯のインプラント治療は難しい?
奥歯のインプラント治療が難しいと言われている理由は、いくつかあります。まず、奥歯は食事の際に前歯よりも強い力がかかる箇所のため、嚙み合わせの調整に高い技術が求められる点です。インプラントではなく、一般的な「削って被せる」治療でも、仕上げの噛み合わせの調整は歯科医師の腕が試される難易度の高い作業です。
嚙み合わせが悪いと単純に歯や歯茎が痛むだけではなく、顎、首、肩や腰など、全身の歪みに繋がります。
また、「角化歯肉」といって、前歯の歯茎は比較的固くなっていますが、奥歯の歯茎は前歯の歯茎に比べて柔らかいので、歯周病が発生しやすい特徴があります。ゆえに、「インプラント周囲炎」というインプラント特有の歯周病にかかるリスクが上がることも、奥歯にインプラントを入れる際に気を付けたい部分です。
奥歯は口を最大限に開けても手術器具が入りづらいので、歯科医師の作業がしにくい点も「難しい」と言われる理由のひとつでしょう。
奥歯のインプラント治療の費用目安
奥歯のインプラント治療をする際にかかる費用の目安は、1本あたり30万円~50万円が相場とされています。患者様の体質や、歯科医院で使用しているインプラント部品のメーカーなどによって金額はまちまちになります。
前歯と奥歯で、大きな治療費の差があるというわけではありません。
奥歯をインプラント治療するメリット5選
自分の歯を失い、人工歯を入れることになった場合の主な選択肢は、3つあります。
- ブリッジ:両隣の歯を削って被せ物をして、そこを土台にして人工歯を置いて固定する
- 入れ歯:両隣の歯に金属製のフックを引っ掛けて人工歯を置く
- インプラント:顎の骨に穴を開け、インプラント体と呼ばれる部品を埋め込んで人工歯を固定する
この3種類の中で唯一歯根を作るのがインプラントであるため、外科手術を伴います。よって、最も難易度の高い治療法となりますが、そのメリットは多大です。
自身の歯と変わらない噛み心地を実現できる
歯茎の中に歯根を埋めるインプラントは、ブリッジや入れ歯よりもかなり咀嚼能力が高い点が長所です。自分の歯とあまり変わらない力でものを噛むことができるので、今までと同じように食事を楽しむことができます。
天然歯の咀嚼力を100%とした場合、ブリッジは60~70%程度、入れ歯は30~40%程度、インプラントは80~100%程度となります。特に入れ歯はガムなどの粘着性のあるものを食べると外れやすくなり、なにかを食べる際に不便さを感じる患者様は少なくありません。
歯ごたえのある野菜や、弾力のあるお肉などをしっかり噛み砕くには奥歯の強さがとても大切ですので、奥歯をインプラントにするのはおすすめです。
痛みや違和感が発生しにくい
ブリッジと入れ歯は、歯を失った箇所に人工歯を「置いている」状態です。特に入れ歯は両隣の歯にフックで引っ掛けてあるだけの状態ですので、喋るときや食事の際にズレが生じやすく、歯茎や頬の内側に部品がこすれて痛みを感じることがあります。
インプラントは、顎の骨に埋めた人工歯根から、アバットメントというネジ状の部品を歯茎から出し、そこに人工歯を繋げています。歯茎にぴったりとフィットした状態で固定されていますので、よほど強い力を加えなければズレることがありません。ズレが生じなければ痛みや違和感を抱くリスクも低くなります。
噛み合わせのバランスを調整しやすい
人工歯を置いている状態の入れ歯やブリッジと違い、インプラントは歯茎の奥にしっかり根が埋まっているため、ズレが生じにくいとお伝えしました。これは嚙み合わせの調整の面でもその長所が発揮できます。
歯のグラつきは物が噛みにくくなるだけではなく、顔の歪み、体の歪みにも及んでいきます。頭痛や肩こりの原因が歯の噛み合わせにあった、という方も決して少なくありません。グラつきの出やすい入れ歯ですとこれらの要因に繋がることがありますが、ズレが生じないインプラントなら、そのリスクはかなり下がります。
また、定期メンテナンスで通院していただく際に、歯科医師が必ず状態をチェックし、微調整を続けていきますので、嚙み合わせに不具合が出ていてもすぐに発見できるというメリットもあります。
発音に影響が出にくい
人工歯のグラつきは、発音にも関わることがあります。特に入れ歯は話している最中にズレてしまったり、外れてしまったりすることもあり、お友達とお喋りしているときにとても気になるようになってしまった、という患者様もいらっしゃいます。
入れ歯やブリッジにしたら以前よりも話しづらくなってしまった、という事態を避けるためにも、ズレやグラつきのほとんど無いインプラントはおすすめです。
顎の骨が痩せるのを予防できる
歯根を取ってしまうと、自然と顎の骨は痩せていきます。それに加え、ものを咀嚼する際に振動が骨に伝わらなくなることで、骨は更に縮小を続けます。
歯根が無い状態である入れ歯やブリッジはそれらのリスクがありますが、インプラントは本来あるはずだった根の部分に人工歯根を埋め込みますので、骨が痩せてしまうのを防ぐ効果があります。咀嚼時に振動もしっかり骨に伝わりますので、骨の健康を維持できる面もインプラントの強みです。
奥歯をインプラント治療するデメリット3選
他の治療法よりもメリットの多いインプラントではありますが、デメリットがあるのもまた事実です。それらをしっかり認識・把握した上で治療に進んでいただくのがいいでしょう。
自由診療であるため、費用が高額になりがち
インプラントは世界的に見ても既に多くの実績があり、安全が保証されている治療法ではありますが、審美性が高いゆえに日本では「保険適用外」(自由診療)となっています。先天性の疾患や事故などによるケース以外では、基本的に保険は適用されず、全額自費となります。
この点がネックでなかなか治療に踏み切れない方も多く、ご予算やローン計画をしっかり練ってから決断する必要があります。
関連記事:奥歯2本のインプラント治療の費用目安とは?費用を抑える方法も併せて解説
インプラントってなぜ高額なの?その理由と信頼できるクリニックの選び方
治療期間が長くなりやすい
一般的に、入れ歯の治療期間は2週間~1か月、ブリッジは1~2カ月、インプラントは6カ月~1年とされています。インプラントは外科手術をして部品を骨に埋入するため、部品がしっかり定着するまでに一定の待機期間を要することに主な理由があります。
手術後も経過を見るために何度か通院していただく必要がありますし、他の治療法に比べて通う回数が多かったり、期間が長かったりすることに不便を感じる方もいらっしゃるでしょう。
インプラントを入れる箇所が前歯か奥歯かで治療期間の差はあまりありませんが、上顎か下顎かでは、上顎のほうが少し治療期間が長くなる傾向があります。
インプラント周囲炎に気を付ける必要がある
年齢が進むと気を付けなければいけない歯の病気のひとつに、歯周病があります。歯周病は一旦発症してしまうと完治させることができない怖い病気です。インプラントにすると、「インプラント周囲炎」というインプラント特有の歯周病になる可能性を抱えていくことになります。
インプラント周囲炎は、部品を埋め込んだ部分と歯茎の間に細菌が入り込むことで、腫れ、出血、痛みを引き起こします。症状が進むと膿が出て歯茎が下がり、インプラントの脱落につながるおそれもあります。初期の段階では症状に気付きにくいことも、インプラント周囲炎の厄介なところです。
このインプラント周囲炎を予防するには、日々の歯磨きを丁寧に行っていただくことと、歯科医院への定期メンテナンスにしっかり通っていただくことです。「人工歯だからもう虫歯になることは無い」と歯磨きをさぼってしまうことは絶対に避けましょう。
奥歯のインプラント治療は、本町通りデンタルクリニックにお任せください
食べづらい、喋りづらいという違和感を抱えながら生活を送るのは、とても不便なものです。歯を失っても、それまでとほとんど変わらない生活が送れるインプラントは、非常に画期的な治療法と言えます。
インプラント治療を受けると決断するにあたり、治療費が高額であることなど、いくつかのデメリットがあることを認識しておくとさらに安心です。
そして歯の中でも特に強い力がかかる奥歯だからこそ、慎重に歯科医院を選んでいただきたいと思います。
何を基準に「いい歯医者」と判断するのか、簡単ではない部分もありますが、実際に診察・治療を受けた多くの患者様からの客観的な視点は信憑性が高いと言えるのではないでしょうか。本町通りデンタルクリニックは「患者さんが選ぶ、大阪府のおすすめインプラント医院ランキング」で1位に選ばれた実績を持ちます。
また、海外や国内のインプラント学会から、知識や経験を豊富に持つ「インプラント認定医」と評価を受けている歯科医師も多く在籍しています。当院でインプラント治療を受けていただき、その後の定期メンテナンスに通ってくださっている患者様には永久保証もお約束しています。
そのほか、大学病院レベルの最先端機器の導入、治療期間があまり長くとれない方のために、短期間で治療が終わるプランなどもご用意があります。
身体全体の健康や生活の質に直結する奥歯のインプラント治療を受けていただく際には、様々な視点で優良な歯科医院を選びましょう。
まとめ
「奥歯のインプラントは難しい」と言われている理由をご説明してきました。厳密に言えば奥歯も前歯もそれほど難易度は変わりません。どちらも食事や会話に直結する大切な身体の一部ですので、信頼できる歯科医院を見つけることが最も重要です。
インプラントにはかつての治療法をはるかに超えた多くのメリットがあることと、一方でデメリットもあることを把握し、納得した上で治療にお進みください。