インプラント治療ができない人の特徴とは?対処法や代替治療法も紹介

2025.04.02

 

インプラント治療を検討するにあたり、「治療ができない人もいるの?」「できない場合はどうしたらいい?」など、悩まれる方も多いのではないでしょうか。

 

インプラント治療は、顎骨の状態や持病の影響などによってできない場合があります。しかし、口腔内の状態を改善するなど、適切な対処をすれば治療することも可能です。

 

今回は、インプラント治療ができない人の特徴や対処法、代替治療法を解説します。インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療ができない人の特徴とは?

 

インプラント治療とは、歯を失ってしまった部分にインプラント(人工歯根)を埋め込む治療法です。咀嚼力や審美性が高いといった利点がありますが、口腔内の状態や持病などにより治療できない人もいます。

 

ここでは、インプラント治療ができない人の特徴を解説します。

骨が薄い

顎骨が薄い人の場合、インプラントの抜け落ちや折れなどのトラブルが生じやすいため、治療を断られる可能性があります。

 

インプラント治療では、歯を支える顎骨(歯槽骨)にインプラントを埋め込んで歯の欠損を補います。しかし、土台となる顎骨の厚みが足りなかったり骨密度が低かったりすると、インプラントをきちんと固定できません。

虫歯や歯周病がある

虫歯や歯周病がある人は、口腔内感染が起こりやすいため治療を断られることがあります。口腔内感染が発生すると、インプラントと顎骨が結合しづらくなるためです。

 

特に歯周病を患っている場合、「インプラント周囲炎」になるリスクを抱えています。インプラント周囲炎とは、インプラント周りの歯肉や歯槽骨に炎症が起きるトラブルのことです。進行すると歯槽骨が溶けてインプラントがぐらつき、抜け落ちてしまうこともあります。

持病がある

特定の持病がある場合、医療的な制約からインプラント治療ができないケースがあります。

 

以下のような持病をお持ちの方や治療中の方は、注意が必要です。

  • 糖尿病
  • 腎臓病
  • 高血圧
  • 人工透析を受けている
  • 血液をサラサラにする薬を飲んでいる

糖尿病や腎臓病、人工透析を受けている方は免疫力が低い傾向にあります。そのため傷口の治りが遅く、術後の感染症リスクがあります。糖尿病の方は、インプラント周囲炎にも注意が必要です。

 

また、高血圧や血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、手術のリスクが高いため避けたほうがよいでしょう。

妊娠中・授乳中である

妊娠中のインプラント治療は避けたほうが賢明です。インプラント治療では手術・投薬・レントゲン撮影などを行なう必要があり、妊婦と胎児の負担になる可能性があります。治療期間も長いため、心身のストレスにもつながります。

 

また、授乳中の方もインプラント治療は避けたほうがよいでしょう。治療後に鎮痛剤や抗生物質の服用が必要なためです。治療自体は乳幼児に影響しませんが、状況が落ち着いてから治療することをおすすめします。

未成年である

未成年の場合、顎骨がきちんと成長していないことから、一部の例外を除いてインプラント治療に適さないと考えられています。成長途中の顎骨にインプラントを埋め込んでしまうと、顎骨の発達を阻害するリスクがあるためです。

 

実際、18〜20歳未満のインプラント治療を受け付けない歯科医院は多く、大人になり顎骨の成長が止まるまで待つのが賢明といえます。

金属アレルギーがある

インプラント治療では、人体との親和性に優れたチタン製のインプラントを埋め込むのが一般的です。ただし、チタン製でもアレルギー反応を起こす可能性はゼロではありません。

 

インプラントはチタン100%ではなく、強度を補うために数%程度ほかの金属を混ぜて作られています。そのため、混合物の多いインプラントで治療するとアレルギー反応が出る可能性が高まるため、金属アレルギーがある人は注意が必要です。

歯並びが悪い

歯並びが悪い場合、インプラントを適切な位置に埋め込めないことがあります。また、噛み合わせに支障が出たり、インプラント埋入後に状態が悪くなったりする可能性もあります。

 

加えて、治療後のメンテナンスがしづらく、歯石やプラークが溜まりやすいことがデメリットです。悪化すると、インプラント周囲炎につながるリスクもあります。

喫煙している

喫煙がインプラント治療に悪影響をおよぼすため、喫煙習慣のある人は治療を断られる場合があります。

 

タバコに含まれる一酸化炭素やニコチンが血管を収縮させたり、血流を悪化させたりするためです。血流が悪いとインプラント埋入後の回復が悪くなり、インプラントと顎骨が結合しづらくなります。

 

さらに、喫煙している方の歯周組織は状態が悪く、手術自体が失敗してしまうリスクがあります。歯周病になりやすい点から、術後にインプラントが脱落するケースもあるため注意が必要です。

インプラント治療ができない人はどうすべき?

 

インプラント治療ができない人でも、原因を改善することで治療できるケースがあります。ここでは、状況ごとにインプラント治療ができない人の対処法を解説します。

骨造成治療を受ける

骨が薄い人や骨粗鬆症を抱えている人は、インプラント治療前に骨の状態を改善させる必要があります。この場合、骨造成治療で骨を増加・再生させ、インプラント治療に必要な骨の厚みを確保します。

 

骨造成治療にはいくつか種類があるため、歯科医師と相談し自分にあった治療法を選ぶことが大切です。おもな骨造成の治療法を下表にまとめました。

【骨造成の種類と治療方法】

口腔内の状態を整える

虫歯や歯周病を抱えている場合は、そちらの治療を優先しましょう。口腔内の状態が悪いと炎症や感染症につながるため、改善してインプラント治療の下地を整えることが大切です。重度の歯周病により顎骨が大量に溶けている場合は、骨造成治療を行なう必要があります。

 

また、歯並びが原因でインプラント治療を行なえない場合は、歯列矯正が必要です。ただし、歯列矯正はインプラント治療と同様に治療費が高く、治療期間も長くなります。

かかりつけ医と相談・連携する

持病のある方は、かかりつけ医とよく相談したうえでインプラント治療の可否を判断してもらう必要があります。例えば、糖尿病の方は血糖値を許容範囲内にコントロールする必要があるため、定期検査や血糖値の検査が欠かせません。

 

インプラント治療ができると判断された場合は、かかりつけ医と連携して検査や治療を進めましょう。ただし、インプラント治療が難しいと判断された場合は、ほかの治療法を検討する必要があります。

 

インプラント以外の治療法については、後述の「インプラント治療の代替治療3選」にて詳しく解説します。

出産後は状況が落ち着くまで待つ

妊娠中の方は、出産後に落ち着いてからインプラント治療を受けたほうが安全です。出産直後は母子ともに体調が不安定になりやすいため、体調や生活環境が落ち着くまで待つことが大切です。授乳中の場合も同様に、心身ともに落ち着くまで待ちましょう。

 

歯がないことで妊娠中や授乳中に不都合が生じる場合は、一時的に入れ歯などで対応することをおすすめします。入れ歯は、妊娠中や授乳中でも作ることが可能です。

顎骨の成長を確認する

未成年の場合は、顎骨の成長が止まっているかを調べることが先決です。成人した段階で精密検査を受けて確認しましょう。

 

成人するまでの期間は、顎骨の成長に悪影響がない、入れ歯やブリッジなどを使用する方法があります。

パッチテストを受ける

金属アレルギーのある方は、ご自身が金属アレルギーであることを必ず歯科医師に伝えてください。そのうえで、金属アレルギーのパッチテストを受けることをおすすめします。

 

パッチテストとは、金属試薬を含ませたシールを皮膚に貼り、アレルギー反応の有無を確かめる検査のことです。

 

チタン以外の金属にアレルギーがあった場合は、純度の高いチタンを使用したインプラントであれば、アレルギーを起こす可能性が低いでしょう。ただし、インプラントにはほかの金属の比率が高いものもあるため、まずは、歯科医師に相談することが大切です。

 

反対に、チタンアレルギーが判明した場合は、入れ歯やブリッジなど別の治療法を検討する必要があります。

完全禁煙する

喫煙者がインプラント治療を受ける場合は、治療よりも禁煙することが優先です。歯周組織の悪化を防ぐためにも、一時的ではなく完全禁煙する必要があります。

 

最近では、紙タバコより害が少ないといわれる加熱式タバコを吸っている方もいます。しかし、加熱式タバコもインプラント治療に悪影響であるニコチンや一酸化炭素が含まれていることに変わりはありません。

 

禁煙が難しい場合は、禁煙外来の受診も検討しましょう。医師から禁煙補助薬の処方や禁煙に対するアドバイスを受けられます。

インプラント治療の代替治療3選

医療的制約や金属アレルギーなどによりインプラント治療ができない場合は、ほかの治療法の検討が必要です。

 

そこで、代替治療として多く用いられている、ブリッジ・部分入れ歯・差し歯の治療法とメリット・デメリットを下表にまとめました。

【ブリッジ・部分入れ歯・差し歯の治療法とメリット・デメリット】

上記の治療法は、インプラントと異なり外科手術の必要がありません。そのため体への負担が比較的少なく、顎骨や持病などの状態を問わず治療が可能です。また、治療期間が短く保険適用内で治療できる場合もあります。

まとめ

インプラント治療は機能性や審美性などの点で優れた治療法です。しかし、インプラント治療は外科手術をともなうため、口腔内や顎骨の状態、持病などによっては選択できない場合もあります。

 

例えば、医療的な制約や虫歯・歯周病がある人は、術後の感染症や炎症のリスクがあるため、インプラント治療は避けたほうがよいでしょう。ただし、口腔内や持病の状態をコントロールしたり、状況が落ち着くまで待ったりすることでインプラント治療が可能になるケースもあります。

 

「自分はインプラント治療を受けられるの?」「インプラント以外の治療法のほうが向いている?」など、治療に関するお悩みがある方は、ぜひ歯科医師に相談してみましょう。

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