インプラント治療の期間はどれくらい?全体の流れを全7ステップで詳しく解説

2025.02.18

 

インプラント治療にはどれくらいの期間がかかるのか、不安を感じていませんか?

「仕事やプライベートとの両立は大丈夫?」「痛みや費用は?」などの疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、インプラント治療にかかる期間と、治療全体の流れを7つのステップに分けて詳しく解説します。

治療の進め方や必要な期間を事前に理解することで、治療への不安を軽減できるでしょう。

インプラントの治療期間はどれくらい?

 

インプラント治療にかかる一般的な期間は、約3ヵ月~1年です。

ただし、実際の治療期間は、口腔内の状態によって大きく異なります。

例えば、顎の骨量が十分で歯茎が健康である場合は、治療が比較的スムーズに進みます。一方で、顎の骨を増やすための手術(骨造成や骨移植など)や歯周病の治療が必要な場合は、治療期間が長引く可能性が高いでしょう。

 

インプラント治療は、人工歯根(インプラント体)の埋入や人工歯根と顎骨との結合期間、人工歯(上部構造)の装着といったいくつかの工程で進められます。そのため、虫歯治療のように短期間で完了するものではありません。

 

なお、手術そのものは通常1~2日で完了しますが、事前に口腔内の検査や前処置を行なう必要があるため、手術前に数回の通院が必要です。

また、手術後は、インプラントが顎骨としっかり結合するまでの待機期間が設けられます。この期間は下顎で約3ヵ月以上、上顎では約6ヵ月以上が目安です。

インプラントの治療中、歯がない期間もある?

インプラント治療中は、基本的に仮歯を使用するため、歯がない状態で過ごすことはほとんどありません

特に、即日仮歯を採用する場合は、手術当日に仮歯を装着することも可能です。ただし、治療部位が奥歯である場合は口腔内の状態によっては仮歯を装着しないケースもあります。

 

なお、仮歯は単に見た目や咀嚼機能を補うだけでなく、人工歯をつけた際の違和感を緩和するための慣らし期間などの役割も果たします。

 

そのため、仮歯の装着期間に違和感や不具合が生じた場合は、早めに歯科医師に相談することが大切です。

インプラントの治療の流れ【全7ステップ】

 

ここでは、インプラント治療の流れを7つのステップに分け、それぞれのプロセスや必要な期間について詳しく解説します。

カウンセリング・検査を行なう(1日~2週間程度)

インプラント治療の最初のステップは、カウンセリングと検査です。

カウンセリングでは、インプラント治療の目的や不安な点、疑問点などを歯科医師と共有し、予算や口腔内の状態に合わせたインプラントの選定を行ないます。

 

検査では、歯科用CTを用いて歯や顎の骨の状態を立体的に確認します。なお、おもな診断の項目は以下のとおりです。

  • 神経や血管の位置
  • 骨量や骨密度
  • インプラントの角度や位置のシミュレーション
  • インプラント治療が可能かどうか    等

また、口腔内や全身の健康状態や喫煙の有無についても詳しく問診を行ないます。この際、虫歯や歯周病、噛み合わせの状態もチェックし、治療が必要な場合は先に処置を進めます。

 

これらの情報をもとに、患者様一人ひとりに合わせた治療計画が立案され、治療の全体像が明確になります。

抜歯(1日~2週間程度)

インプラント治療を行なう際、人工歯根を埋め込む箇所に歯が残っている場合は、抜歯が必要です。


抜歯の対象となるのは、治療を施しても保存が難しい歯です。具体的には、重度の虫歯や進行した歯周病、割れてしまった歯などが該当します。

一方で、健康な歯や治療可能な歯を抜くことはありません。

 

抜歯には2つのケースがあり、1つは抜歯直後に人工歯根を埋め込むケース、もう1つは傷口の回復後に人工歯根を埋め込むケースです。前者の通院回数は1回、通院の期間は1日ですが、後者の場合は2回、1週間程度を要します。

インプラントの埋入手術を行なう(1~2日程度)

インプラント治療の中心となるのが、人工歯根を顎の骨に埋め込む「埋入手術」です。

埋入手術には、「1回法」と「2回法」があり、歯科医師が患者様の口腔内の状態に適した方法を提案します。いずれの手術も麻酔を使用して行ない、日帰りで対応可能なため、入院の必要はありません。

ここでは、「1回法」と「2回法」の手術の特徴を詳しく解説します。

1回法

 

1回法は、人工歯根とアバットメント(支台部)が一体型になったパーツを一度に埋め込む手術方法です。歯肉の切開は1回で、アバットメントをあとから装着する必要がないため、手術は1回で完了します。

通院回数は1~2回と少なく、治療期間も1日~2週間程度と比較的短期間で済むのが特徴です。

ただし、この方法はアバットメントが歯茎から露出した状態になるため、顎の骨が十分に安定している方や、細菌感染のリスクが低い方に限られます。

2回法

 

2回法では、手術を2回行ないます。

1回目の手術では、人工歯根を顎の骨に埋入し、歯茎を縫合して患部を保護します。その後、骨と人工歯根がしっかり結合するまでの定着期間を設けます。

そして、土台が安定した頃に2回目の手術を行ない、歯茎を再度切開して人工歯根を露出させ、アバットメントを装着します。

 

このように、2回に分けて治療を進めると、細菌感染のリスクを抑えつつ、人工歯根の安定性を高めることが可能です。

2回法の治療期間は3~7ヵ月と長期にわたり、通院回数は4~6回が目安となります。

 

 

以下は、インプラント手術の1回法と2回法の特徴を比較した表です。

 

治癒期間を取り、傷口の回復を待つ(3~6ヵ月)

インプラント治療では、顎の骨と人工歯根がしっかりと結合するために、手術後に3~6ヵ月の治癒期間が必要です。2回法で手術を行なった場合は、治癒期間は1回目の手術と2回目の手術の間に設けられます。

 

なお、実際の治癒期間は、骨の状態や健康状態によって異なります。

早い場合は2~3ヵ月で結合する場合がありますが、骨や健康状態に問題がある場合は、6ヵ月以上かかることもあります。

 

また、治癒期間中は治療部位の負担を減らし、治癒を促進させるためにも以下のような行為は避けましょう。

  • 手術当日のうがい
  • 手術後1週間以内の飲酒、激しい運動、入浴
  • 治療部位への接触
  • 治療部位での咀嚼
  • 喫煙

手術後に適切なケアを徹底することで、インプラント治療の成功率を向上できます。歯科医師の指示に従い、治癒期間中の生活習慣に注意を払うことが大切です。

型取りを行なう(1〜3週間)

人工歯根と顎の骨の結合が確認できたら、最終的な人工歯を作るために型取りを行ないます。

これは治療の仕上げに向けた重要なステップで、自然な見た目などを実現するために必要な工程です。

 

型取りは通常、通院1回で完了します。ただし、その後、型をもとに人工歯を製作するため、人工歯が完成するまでには1~3週間ほどかかります。

 

また、型取りの際には、セラミックの色味などの仕上がりについて歯科医師と相談することが可能です。

インプラントを装着する(1日)

治療の最終段階では、完成した人工歯を装着します。

1回法の場合は、歯茎の上に露出しているアバットメントに人工歯を取り付けます。

一方、2回法では、この段階で歯茎を切開する2回目の手術を行ない、アバットメントを装着したあとに人工歯を取り付けます。

 

装着に必要な通院は、1回で済むことがほとんどです。

抜歯から実際に噛めるようになるまでの期間は2~3ヵ月程度が目安ですが、インプラントの本数が多い場合や複雑な治療が必要な場合は、期間が延びる場合もあります。

 

装着時には噛み合わせの確認と調整が行なわれ、違和感や痛みを防ぐために細かい調整を加えます。

定期的なメンテナンスを受ける

インプラント治療は、人工歯を装着して完了ではありません。

長期間快適に使用するためには、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスのおもな目的は、インプラント周囲炎(インプラント周囲の骨や歯茎に起こる炎症)の予防や、歯茎・顎の骨の健康を維持することです。

 

インプラント周囲炎は、歯周病に似た症状を引き起こします。歯茎が腫れたり骨が溶けたりすると、インプラントが不安定になる原因となるため、早期の予防と対処が重要です。

 

定期検診の頻度は3ヵ月に1回が目安ですが、口腔内の状態や体質によって異なる場合があるため、歯科医師の指示に従いましょう。

また、日常的に丁寧なブラッシングやデンタルフロスを使ったセルフケアも重要です。

まとめ

インプラント治療は、カウンセリングから手術、人工歯の装着、そして治療後のメンテナンスまで、複数のステップを経て進められます。

治療期間は、3ヵ月~1年程度が目安ですが、患者様の口腔内の状態や治療方法によって実際の期間は異なります。

 

また、治療の成功には、治療後のインプラント周囲炎の予防や、3ヵ月に1回程度の定期検診と日々のセルフケアが非常に重要です。

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