インプラント治療でセカンドオピニオンを受けるメリットは?流れや注意点も解説

2025.02.13

 

インプラント治療は通常の歯科治療と異なり、顎の骨にインプラント体を埋め込む外科手術が必要です。高度な治療法だからこそ、専門的な知識と技術力、診断の正確さ、歯科医院の設備などをチェックする必要があります。

 

また、より良い治療を受けるには、主治医以外で診察を受ける「セカンドオピニオン」も有効です。

 

今回は、インプラント治療でセカンドオピニオンを受けるメリット、診察を受けるまでの流れと注意点について解説します。

インプラント治療でセカンドオピニオンを受けるメリット

 

インプラント治療において、セカンドオピニオンを受けて得られるメリットは以下のものが挙げられます。

主治医による診断の正確性を判断できる

セカンドオピニオンの歯科医師から意見を聞くことで、主治医が下した診断内容が正確かどうかを判断できます。

 

そもそもインプラント治療は難易度が高い治療法であり、歯科医師の技術や知識によって診断結果が変わります。主治医から「インプラント治療は難しい」と断られたものの、セカンドオピニオンの歯科医師から「治療が可能」と診断される場合があるのはこのためです。

 

診断結果が分かれる難しい治療方法だからこそ、複数の歯科医師から意見を聞き、診断の正確さを見極めることが大切です。また、複数の歯科医師の意見を聞くことで、誤診のリスクを抑えることにつながります。

治療の選択肢が広がる

失った歯を取り戻したい場合、インプラント治療だけでなく、ブリッジや入れ歯といった治療法も存在します。

 

セカンドオピニオンの診断を受けた結果、主治医が提案しなかった治療法を勧められるケースも少なくありません。口腔内の状態や予算などを考慮しつつ、自分に適した治療方法を受けられる可能性が高まります。

 

また、セカンドオピニオンの歯科医師が、主治医と同じ治療方法を提案することもあります。同じ意見だった場合、間違いのない治療だと納得できるでしょう。

インプラント治療への理解が深まる

セカンドオピニオンを受けることで、インプラント治療の流れやメリット・デメリット、術後の注意点などの理解度が深まります。

 

インプラント治療は難易度が高いため、患者様自身も治療方法をしっかり理解しておきたいところです。主治医とは別の歯科医師から説明を受けることで、新たな視点からインプラント治療の理解を深められます。

 

また、主治医の説明で理解できなかった内容でも、別の歯科医師の説明によって疑問が解消するケースもあります。インプラントは高額な治療だからこそ、納得して治療を進められるでしょう。

インプラント治療の適正価格を把握できる

インプラント治療の費用の相場は、歯1本あたり30~40万円といわれています。しかし、インプラント治療は自費診療のため、歯科医院によって費用が大きく異なります。

 

治療費の金額の差が生じる背景には、歯科医院の立地、治療設備、人件費、仕入れるインプラントのメーカーなど、さまざまな要因があります。セカンドオピニオンを通じて複数の歯科医院で費用を確認することで、インプラント治療の適正価格を見極めることが可能です。

 

決して安くない治療費を支払うからこそ、適正価格を把握したうえで納得して支払える金額を把握することが大切です。

治療内容や設備を比較できる

インプラントを作製するメーカーや治療法、治療後の保証制度も、歯科医院によって異なります。導入している治療設備も歯科医院しだいで、治療費や治療内容に影響することも珍しくありません。

 

例えば、インプラント治療で外科手術を実施する際、顎の骨の状態を立体的に確認できる「歯科用CT」を使用します。しかし、なかには歯科用CTを持たない歯科医院もあるため、治療設備はしっかり確認することが大切です。

 

セカンドオピニオンを活用することで、治療内容やクリニックの設備を比較・検討でき、自分のニーズに合った歯科医院を選択できるでしょう。

インプラント治療における、セカンドオピニオンの流れ

 

インプラント治療でセカンドオピニオンを受けたい場合、以下の手順で歯科医師を探し、診察を受けましょう。

主治医の説明をしっかり聞く

セカンドオピニオンを受ける前に、まずは主治医の説明をしっかり聞き、疑問や不安に感じることを徹底的に質問しましょう。

 

主治医の説明を理解しておかないと、ほかの歯科医師の説明を聞いたことで、かえって混乱する可能性があるためです。

 

主治医の説明を受けるときは、以下の項目をしっかり確認しておきましょう。

  • インプラント治療の可否
  • 具体的な治療のプラン
  • 治療費
  • 保証制度の内容

セカンドオピニオン対応の歯科医院を探す

主治医の説明を聞いて内容を理解できたら、セカンドオピニオン先となるインプラント治療を扱う歯科医院を探します。

 

歯科医院を選ぶときは、以下のポイントで判断するとよいでしょう。

  • インプラント治療の経験
  • 設備の豊富さ
  • インプラント治療の認定医・専門医資格の有無

治療の経験や症例数に関しては、歯科医院のホームページまたは口コミサイトで見ることができます。

 

インプラント治療の専門資格は、日本口腔インプラント学会、または国際インプラント学会の認定医・専門医・指導医が知られています。インプラント治療の実績が豊富で、認証医などの資格がある歯科医院を選ぶのが望ましいでしょう。

 

ただし、セカンドオピニオンに対応していない歯科医院もあるため、ホームページか電話で確認する必要があります。

主治医にセカンドオピニオンを受ける旨を伝える

歯科医院が決まったら、「セカンドオピニオンを受けたい」と主治医に伝えましょう。主治医から、セカンドオピニオンの診察で使用する診断書、レントゲンやCTなどの検査資料、紹介状を提供してもらえる可能性があります。

 

セカンドオピニオンを受ける旨を、主治医に伝えづらいと感じる方も少なくありません。しかし、セカンドオピニオンの真の目的は、「主治医とともに治療法を選択すること」です。

 

主治医を変えることが目的ではないため、「別の医師にも意見を聞きたい」と考えれば、セカンドオピニオンであることを気軽に伝えられるでしょう。

セカンドオピニオンでの質問事項を整理する

セカンドオピニオンを受ける場合、あらかじめ質問事項をまとめておきましょう。

 

思いつくままに質問をした場合、時間が足りずに肝心な質問ができなくなる可能性があります。聞きたい質問を事前にまとめておくことで、自分が求めるアドバイスや提案を受けやすくなります。

治療方針を定める

セカンドオピニオンによる診察を終えたら、歯科医師ごとの意見を整理しつつ、今後の治療方針を決定します。

 

最終的な治療方針を決めるのは、主治医ではなく患者様ご自身です。主治医とセカンドオピニオンの意見が異なる場合、より納得できたのはどちらの意見か、自分の理想に近づける意見かどうかを考えましょう。

 

また、セカンドオピニオンを受けたものの、納得のいく意見を得られなかった場合もあるはずです。そのときは、主治医のもとに戻って治療法を再検討したり、さらに別の歯科医師から意見を聞いたりする必要があります。

インプラント治療でセカンドオピニオンを受ける際の注意点

インプラント治療に関するセカンドオピニオンを受ける前に、以下の注意点を把握しておきましょう。

質問できる時間が限られている

セカンドオピニオンの診察は治療の枠で行なうため、診察時間は30分~60分程度になることが一般的です。

 

その時間のほとんどは、検査や診察、診断に費やされます。質問できる時間が限られているため、質問事項だけでなく、質問の優先順位や時間配分を考えておくことが大切です。

 

また、主治医から診断書やCT画像などのデータを受け取った場合、セカンドオピニオン先で渡せるようにまとめて準備しておきましょう。

希望どおりの意見を得られるとは限らない

セカンドオピニオンを受けたとしても、自分が求めていた意見が得られるとは限りません。主治医の診断内容とほぼ変わらないなど、期待外れな結果に終わる可能性もあります。

 

ただし、歯科医師ではない自分が望む意見が正解ともいえないため、一つの意見として受け入れることが大切です。

歯科医院によって費用は異なる

セカンドオピニオンによる診察は、健康保険が適用されない自費診療です。自費診療の金額に決まりはなく、受診する歯科医院によって費用が変わります。

 

なお、歯科医院によっては、セカンドオピニオンを無料で実施するケースもあります。自費診療の金額を含め、ホームページなどで費用体系を確認しておきましょう。

セカンドオピニオンは本人のみ受けられる

セカンドオピニオンを受けられるのは、インプラント治療を受ける本人です。家族や親戚などの第三者がセカンドオピニオンの同席を希望する場合、治療を受ける本人の同意書が求められることがあります。

 

ただし、歯科医院によっては、同意書の有無にかかわらず、セカンドオピニオンは「本人のみ」とするケースもあるので確認が必要です。

信頼性を見極める

セカンドオピニオンの歯科医師が、執拗に転院を勧めたり、主治医を否定する意見ばかり述べたりするときは注意が必要です。

 

歯科医師としての信頼性に欠けるうえに、治療において信頼関係を築くのが難しい可能性も考えられます。また、安さをことさら強調する歯科医院も疑問が生じます。

 

診察の時点で不明点を質問し、納得のいく説明を求めることが大切です。少しでも不信な点があったら、別の歯科医師の意見を聞くことを検討したほうがよいでしょう。

まとめ

主治医以外の歯科医師から意見を聞くことで、治療の選択肢が広がったり、適正価格を把握できたりするメリットがあります。インプラント治療は決して安くないため、セカンドオピニオンによって納得したうえで治療を受けられるでしょう。

 

ただし、納得できる治療方針が決まらない場合、主治医に再び相談するか、別の歯科医師の意見を聞くことが大切です。

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